コラム・連載

在米ゴルフジャーナリストが見た、プロゴルファーの知られざる素顔

苦労したからこそ、若者たちを手助けしたいと動き出したトニー・フィノウ

2018.8.15|text by 舩越園子

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 トニー・フィノウという190センチ、90キロの巨体を誇る28歳のユニークな選手がいる。
 2015年に米PGAツアーにデビューし、2016年にプエルトリコ・オープンで初優勝。現在、すでに世界ランキング上位30位にランクインしているトッププレーヤーの一人だ。
 フィノウの国籍は米国だが、両親はトンガとサモアの出身だ。男6人、女2人の8人兄弟でフィノウは上から3番目。すぐ下の4番目に当たる弟ジッパーもプロゴルファーで、米ツアーの下部ツアーのウエブドットコムツアーに参戦しているが、兄のキャディとしてバッグを担ぐこともある。
 5番目の妹はバレーボール選手。6番目の弟はプロボクサー。兄弟8人全員がアスリートというスポーツ一家だ。
 家庭ではフィノウと弟のジッパーは他の6人全員から「ゴルフなんて甘っちょろいゲームはスポーツじゃない!」と、からかわれることしばしば。そのたびにフィノウは「おいおい、何を言ってるんだ?ゴルフはとても難しくて面白い、素晴らしいスポーツなんだ!今に見てろ!」と言い返してきた。
 「あの子は、そうやって精神的に強くなったのよ」
 いつだったか、フィノウの姉が、そう教えてくれた。

トニー・フィノウは190センチ、90キロの巨体を誇る28歳。 2015年に米PGAツアーにデビューし、2016年にプエルトリコ・オープンで初優勝。現在、すでに世界ランキング上位30位にランクインしているトッププレーヤーの一人。(photo: 舩越園子) トニー・フィノウは190センチ、90キロの巨体を誇る28歳。 2015年に米PGAツアーにデビューし、2016年にプエルトリコ・オープンで初優勝。現在、すでに世界ランキング上位30位にランクインしているトッププレーヤーの一人。(photo: 舩越園子)

苦節の日々

 フィノウ自身、高校時代まではバスケットボールの選手だったそうだ。だが、その後にゴルフに転身し、2007年にプロ転向。世界の一流の舞台である米PGAツアーで戦うことを目指し、その登竜門となる下部ツアーのウエブドットコムツアーに挑み始めた。
 その年、生まれて初めて出場したプロの大会は、ウエブドットコムツアーのユタ選手権。地元ユタ州の出身選手ということで、特別推薦を得ることができ、出場が叶った。
 しかし、結果はあえなく予選落ち。兄弟たちから「全然だめだね」「プロゴルファーなんて、やめておけよ」と言われれば言われるほど、フィノウの闘志は逆に燃え上がったが、気持ちとは正反対に、なかなか腕は上がらなかった。
 それから3年。ウエブドットコムツアーの出場資格さえ得られなかったフィノウは、草の根のミニツアーを転々としながら必死に腕を磨いた。
 そして2010年、地元出身の恩恵を授かり、再びユタ選手権に挑んだが、結果はやっぱり予選落ちだった。
 2011年はついに予選通過を果たしたが、45位と下位に終わった。2012年は、とうとう推薦出場も叶わなかった。
 それでも諦めず、ミニツアーを転戦し続けたフィノウは、2014年についにウエブドットコムツアーにフル参戦する資格を獲得。年間を通してプレーしていたら調子はぐんぐん上がり、ユタ選手権では5位に食い込んだ。そして、その2週間後の大会で初優勝。
 ウエブドットコムツアーの賞金ランキングで8位になり、翌年から一軍である米PGAツアーでプレーする出場権を、ようやく手に入れた。

2014年ウエブドットコムツアーの賞金ランキングで8位になり、翌年から一軍である米PGAツアーでプレーする出場権を、ようやく手に入れた。(photo: 舩越園子) 2014年ウエブドットコムツアーの賞金ランキングで8位になり、翌年から一軍である米PGAツアーでプレーする出場権を、ようやく手に入れた。(photo: 舩越園子)

お世話になった大会をサポート

 ウエブドットコムツアーにフル参戦できたのはプロ転向から7年後、米PGAツアーに辿り着いたのはその翌年だったが、プロ転向からは実に8年の歳月が流れていた。
 それほど時間がかかった原因の一つは、試合のエントリーフィーや転戦費用、用具の調達費用を稼ぐために、アルバイトなどの副業をする必要だったこと。
 立派な体格とアスリートとしての素養にも恵まれていたフィノウは、「すべての時間とエネルギーをゴルフだけに注ぐことができたら、あっという間に成長する逸材だ」と周囲のゴルフ関係者は以前から感じていたという。
 だが、副業との二足の草鞋で練習時間はなかなか取れず、睡眠も十分に取れない日々。なかなかゴルフの成績は上がってはくれなかった。
 「練習したい、練習さえできればと何度思ったことか。僕のような苦労や遠回りを、これからPGAツアーを目指す才能ある若者たちに経験させたくはない」
 そんな想いを込めて、フィノウは自身が主宰する「トニー・フィノウ財団」を設立し、そしてこの夏、自身のプロデビュー戦となったウエブドットコムツアーのユタ選手権とパートナーシップを結び、「プロゴルファーを目指す若者たちを手助けする大会を作る」ことを発表した。
 近年、米ツアーの選手がジュニア時代にお世話になったAJGA(全米ジュニアゴルフ協会)の出身地の大会を経済的にサポートする例は増えているのだが、下部ツアーであるウエブドットコムツアーの大会と手を結び、スポンサードするというフィノウの例は、きわめて珍しい。
 それほどフィノウにとってユタ選手権は思い出も感謝の念も深く、下積み時代に味わった経済的困窮は彼にとって本当に苦しく、だからこそ、世界のトッププレーヤーの仲間入りができた今、そのお返しをしたいという想いに駆られているのだと思う。
 「故郷ユタには、たくさんの思い出がある。ユタ選手権にも数えきれないほどの思い出があり、恩がある。今、この僕が、これからプロゴルファーを目指す才能溢れる若者たちの教育や成長の手助けができることは、信じられないほどうれしい」
 フィノウの想いに共感した同じユタ州出身のジョニー・ミラー、ビリー・キャスパーといった往年の名選手たちも応援に加わったそうだ。
 そうやって、サポートの輪が広がっていく。だからこそ、アメリカのプロゴルフ界は社会から受け入れられ、応援もされる
 大勢の人々が「ゴルフって素晴らしい。ゴルファーって素晴らしい」と感じてくれることだろう。
 そして何より「トニー・フィノウって、素敵だよね」と思うファンは、これからどんどん増えるに違いない。

次回は9月14日公開予定!

バックナンバー
  1. ゴルフジャーナリストが見た、
    プロゴルファーの知られざる素顔
  2. 82. 「破竹」のナップが願うこと
  3. 81. M・ホーマの「故郷への恩返し」
  4. 80. トレーラーハウスで誓ったこと
  5. 79. 命のリレー、命のショー
  6. 78. 奇跡の復活優勝、「ミーアのミラクル」
  7. 77. 「永遠の女王」A・ソレンスタム
  8. 76. L・グローバーを大きく開花させたもの
  9. 75. 大きなゴールのための小さな目標
  10. 74. 「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー
  11. 73. 「誰かのため」を最優先するホブランは、だからこそ人気急上昇中!
  12. 72. 亡き母のために「優勝して財団設立」を目指したW・クラークの勝利
  13. 71. 「脚光」と「薄幸」のビッグスター
  14. 70. 何かに苦しむ誰かのために活動する「フェアウエイの妖精」
  15. 69. 「0.006%」を潜り抜けたバックリーがもたらす幸運
  16. 68. 故郷をジュニア天国へ。S・ストーリングスの社会貢献
  17. 67. 鉄人レースに挑んだ女子プロのチャレンジ
  18. 66. 「ナイスガイだからこそ」のメジャー制覇と社会貢献
  19. 65. 個性派M・A・ヒメネスの恩返し
  20. 64. 全英女子オープン覇者がプロゴルファーである理由
  21. 63. メジャー3勝、だからこそ「感謝」と「貢献」
  22. 62. アフリカに水をもたらすゴルフ界のレジェンド
  23. 61. 一人の少年を讃えたフリートウッドの想い
  24. 60. 母国を離れて戦うC・スミスの母国愛
  25. 59. コロナ禍の犠牲者のために尽くした素晴らしき選手
  26. 58. 親友が闘病しながら創設した財団を守り続けるプロゴルファー
  27. 57. 救った子供が未来を救う、だからこそ救いたい
  28. 56. 「みんなのハッピー」を目指す女子ゴルフのスター
  29. 55. バレステロスからラームへ、スペインのヒーロー誕生物語
  30. 54. マリア・ファッシは幸せを運ぶアンバサダー
  31. 53. 「小さな奇跡」を信じて戦う意味
  32. 52. クールなP・カントレーの温かい社会貢献
  33. 51. L・トンプソン流、ユニークな社会貢献
  34. 50. 母国への想いが奇跡を起こす!?
  35. 49. 無名の48歳の「好きな言葉」「嫌いな言葉」
  36. 48. B・デシャンボーの熱くて厚い義理人情
  37. 47. 絵を描き続ける「みんなのヒーロー」
  38. 46. 助けたからこそ、助けられたゴルフ人生
  39. 45. 夢を追いかけられる社会にしたい
  40. 44. 負けても笑顔を輝かせた意味
  41. 43. 優しく強くなったR・マキロイの社会貢献
  42. 42. ファンファーレで送り出したい全英チャンプ
  43. 41. 「僕はそういう僕でありたい」ビリー・ホーシェルの感謝と恩返し
  44. 40. チャールズ・ハウエルの恩返し
  45. 39. メジャー・チャンプの恩返し
  46. 38. 「思い出づくり」と「自転車づくり」
  47. 37. 米ツアーの黒人選手の「声」の力
  48. 36. スネデカーは「超ナイスガイ」!
  49. 35. 「世界を救うため」動いたジュニアゴルファー姉妹
  50. 34. それが「私の生きる意味」
  51. 33. 「いつかは、私が」と誓った物語
  52. 32. 亡き母の名を冠したマンモバンを走らせて
  53. 31. ケビン・ナの人気が静かに高まりつつある理由
  54. 30. ゴルフ界の「子育て」と「本当の女王」
  55. 29. 苦難を乗り越えた3世代の物語
  56. 28. 光が当たらなかった場所に光を当てる
  57. 27. 世界ナンバー1の「自分流」チャリティ
  58. 26. 「手作りゴルフ場」から出発したプロゴルファーの社会貢献
  59. 25. ゴルフ金メダリストが考える手作り感覚のチャリティ活動
  60. 24. 惜しみなく与える「DJ」の物語
  61. 23. 輝く未来を抱くチャンス
  62. 22. 帝王の優しき野望
  63. 21. 「パットの名手」は「チャリティの名手」
  64. 20. 「ケビン・キスナー」の名前と存在感
  65. 19. ゴルフの世界でも「類は友を呼ぶ」
  66. 18. ライオン・ハートのジョン・デーリー
  67. 17. 往年の名選手と名キャディからの贈り物
  68. 16. 「たった4勝」でも「メジャー無冠」でも、どんどん高まるリッキー・ファウラーの人気
  69. 15. ジャロード・ライルの36年の人生が残してくれたもの
  70. 14. 苦労したからこそ、若者たちを手助けしたいと動き出したトニー・フィノウ
  71. 13. 授かった幸運を不運な人々のために役立てたいと願うジム・フューリックと妻の社会貢献
  72. 12. 選手もキャディも主役になった日
  73. 11. タイガー・ウッズの真心のチャリティ
  74. 10. 闘病しながらチャリティにも精を出し、「とてもラッキー」と言い切る強さ
  75. 09. ベン・クレーンの終わりなき社会貢献
  76. 08. だから、アーノルド・パーマーは誰からも愛された
  77. 07. デービス・ラブの愛
  78. 06. 彼が国民的スターである理由
  79. 05. ゴルフより大切なものを知って強くなったプロゴルファー
  80. 04. アーニー・エルスの山谷の越え方
  81. 03. マスターズ2勝のバッバ・ワトソンが一人の人間として抱く夢
  82. 02. 全英オープン覇者、ジョーダン・スピースの強さの秘密
  83. 01. プロゴルファーも、お医者さまも?「らしさ」って、難しい

著者プロフィール

舩越園子 近影舩越園子(ふなこし そのこ)

在米ゴルフジャーナリスト

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年にフリーライターとして独立。93年渡米。在米ゴルフジャーナリストとして新聞、雑誌、ウエブサイト等への執筆に加え、講演やテレビ、ラジオにも活動の範囲を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。アトランタ、フロリダ、ニューヨークを経て、現在はロサンゼルス在住。


バックナンバー
  1. ゴルフジャーナリストが見た、
    プロゴルファーの知られざる素顔
  2. 82. 「破竹」のナップが願うこと
  3. 81. M・ホーマの「故郷への恩返し」
  4. 80. トレーラーハウスで誓ったこと
  5. 79. 命のリレー、命のショー
  6. 78. 奇跡の復活優勝、「ミーアのミラクル」
  7. 77. 「永遠の女王」A・ソレンスタム
  8. 76. L・グローバーを大きく開花させたもの
  9. 75. 大きなゴールのための小さな目標
  10. 74. 「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー
  11. 73. 「誰かのため」を最優先するホブランは、だからこそ人気急上昇中!
  12. 72. 亡き母のために「優勝して財団設立」を目指したW・クラークの勝利
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  14. 70. 何かに苦しむ誰かのために活動する「フェアウエイの妖精」
  15. 69. 「0.006%」を潜り抜けたバックリーがもたらす幸運
  16. 68. 故郷をジュニア天国へ。S・ストーリングスの社会貢献
  17. 67. 鉄人レースに挑んだ女子プロのチャレンジ
  18. 66. 「ナイスガイだからこそ」のメジャー制覇と社会貢献
  19. 65. 個性派M・A・ヒメネスの恩返し
  20. 64. 全英女子オープン覇者がプロゴルファーである理由
  21. 63. メジャー3勝、だからこそ「感謝」と「貢献」
  22. 62. アフリカに水をもたらすゴルフ界のレジェンド
  23. 61. 一人の少年を讃えたフリートウッドの想い
  24. 60. 母国を離れて戦うC・スミスの母国愛
  25. 59. コロナ禍の犠牲者のために尽くした素晴らしき選手
  26. 58. 親友が闘病しながら創設した財団を守り続けるプロゴルファー
  27. 57. 救った子供が未来を救う、だからこそ救いたい
  28. 56. 「みんなのハッピー」を目指す女子ゴルフのスター
  29. 55. バレステロスからラームへ、スペインのヒーロー誕生物語
  30. 54. マリア・ファッシは幸せを運ぶアンバサダー
  31. 53. 「小さな奇跡」を信じて戦う意味
  32. 52. クールなP・カントレーの温かい社会貢献
  33. 51. L・トンプソン流、ユニークな社会貢献
  34. 50. 母国への想いが奇跡を起こす!?
  35. 49. 無名の48歳の「好きな言葉」「嫌いな言葉」
  36. 48. B・デシャンボーの熱くて厚い義理人情
  37. 47. 絵を描き続ける「みんなのヒーロー」
  38. 46. 助けたからこそ、助けられたゴルフ人生
  39. 45. 夢を追いかけられる社会にしたい
  40. 44. 負けても笑顔を輝かせた意味
  41. 43. 優しく強くなったR・マキロイの社会貢献
  42. 42. ファンファーレで送り出したい全英チャンプ
  43. 41. 「僕はそういう僕でありたい」ビリー・ホーシェルの感謝と恩返し
  44. 40. チャールズ・ハウエルの恩返し
  45. 39. メジャー・チャンプの恩返し
  46. 38. 「思い出づくり」と「自転車づくり」
  47. 37. 米ツアーの黒人選手の「声」の力
  48. 36. スネデカーは「超ナイスガイ」!
  49. 35. 「世界を救うため」動いたジュニアゴルファー姉妹
  50. 34. それが「私の生きる意味」
  51. 33. 「いつかは、私が」と誓った物語
  52. 32. 亡き母の名を冠したマンモバンを走らせて
  53. 31. ケビン・ナの人気が静かに高まりつつある理由
  54. 30. ゴルフ界の「子育て」と「本当の女王」
  55. 29. 苦難を乗り越えた3世代の物語
  56. 28. 光が当たらなかった場所に光を当てる
  57. 27. 世界ナンバー1の「自分流」チャリティ
  58. 26. 「手作りゴルフ場」から出発したプロゴルファーの社会貢献
  59. 25. ゴルフ金メダリストが考える手作り感覚のチャリティ活動
  60. 24. 惜しみなく与える「DJ」の物語
  61. 23. 輝く未来を抱くチャンス
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  63. 21. 「パットの名手」は「チャリティの名手」
  64. 20. 「ケビン・キスナー」の名前と存在感
  65. 19. ゴルフの世界でも「類は友を呼ぶ」
  66. 18. ライオン・ハートのジョン・デーリー
  67. 17. 往年の名選手と名キャディからの贈り物
  68. 16. 「たった4勝」でも「メジャー無冠」でも、どんどん高まるリッキー・ファウラーの人気
  69. 15. ジャロード・ライルの36年の人生が残してくれたもの
  70. 14. 苦労したからこそ、若者たちを手助けしたいと動き出したトニー・フィノウ
  71. 13. 授かった幸運を不運な人々のために役立てたいと願うジム・フューリックと妻の社会貢献
  72. 12. 選手もキャディも主役になった日
  73. 11. タイガー・ウッズの真心のチャリティ
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  76. 08. だから、アーノルド・パーマーは誰からも愛された
  77. 07. デービス・ラブの愛
  78. 06. 彼が国民的スターである理由
  79. 05. ゴルフより大切なものを知って強くなったプロゴルファー
  80. 04. アーニー・エルスの山谷の越え方
  81. 03. マスターズ2勝のバッバ・ワトソンが一人の人間として抱く夢
  82. 02. 全英オープン覇者、ジョーダン・スピースの強さの秘密
  83. 01. プロゴルファーも、お医者さまも?「らしさ」って、難しい