コラム・連載

ゴルフジャーナリストが見た、プロゴルファーの知られざる素顔

「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー

2023.8.15|text by 舩越園子

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今年4月、PGAツアーのRBCヘリテージを制したのは、28歳の英国人選手、マシュー・フィッツパトリックだった。

フィッツパトリックと言えば、昨年の全米オープンで勝利を挙げたメジャー・チャンピオンだが、彼はメジャー大会ではなくレギュラー大会のRBCヘリテージで勝利したことを「子どものころから、このタイトルが一番欲しかったんだ」と、うれしそうに明かした。

RBCヘリテージの舞台は米サウス・カロライナ州ヒルトンヘッド・アイランドにあるハーバータウン・ゴルフリンクスだ。ハーバータウンは米国でも屈指の名門コースで、18番のフェアウェイ脇にそびえる赤と白の灯台は、ハーバータウンのシンボルとされている。

ふと見ると、フィッツパトリックのゴルフバッグに入れられていたドライバーには、その灯台をデザインした赤と白のヘッドカバーが被せられていた。

英国で生まれ育ったフィッツパトリックが、なぜ、そんなヘッドカバーをわざわざ被せて試合に臨むほど、その灯台に思い入れがあり、そこでの勝利を望んでいたのか。そこには、こんな秘話が隠されていた。

幼少時代からの夢

フィッツパトリックは英国シェフィールド出身だが、彼は6歳のころから毎年、両親と弟のアレックスと4人でヒルトンヘッドに家族旅行に訪れ、歴史の長いこの大会を観戦していたという。そして、彼は当時からこの大会で勝利を収める自身の姿を思い描いていたのだそうだ。

今年のRBCヘリテージ最終日を2位に1打差の単独首位で迎えたフィッツパトリックは、米国人のジョーダン・スピースに並ばれ、サドンデス・プレーオフへ突入。2人の一騎打ちは手に汗握る熱戦となった。

ハーバータウンに詰め掛けていた大観衆は、米国人のスター選手であるスピースを応援し、「USA!USA!」の大コールが起こった。英国人で「アウェイ」のフィッツパトリックは四面楚歌となったが、プレーオフ3ホール目でピン30センチに付ける快打を放つと、グッドショットをきちんと讃えるフェアな大観衆は沸き返った。

そして、30センチのバーディーパットを沈めたフィッツパトリックが「一番欲しかったタイトル」を、ついに手に入れた。

「子どものころ、父や弟と一緒にここでラウンドしながら、いつかここで優勝しようと誓い合った。僕は、あの灯台の下で勝ちたいと願い続けてきた」

フィッツパトリックにとって、ハーバータウンはプロゴルファーになって優勝する夢を最初に見た場所だった。自分にとってのゴルフの「原点」で勝利することができたフィッツパトリックは、感無量の様子だった。

授かった「財産」

日本には「三つ子の魂、百まで」というフレーズがあるが、その言葉が示す通り、フィッツパトリックは幼少時代に感じたこと、思い描いたものを大切に胸に抱き、その想いを糧にプロゴルファーになった。

そのせいなのかもしれない。フィッツパトリックはプロになったばかりのころから、いつも周囲の子どもたちに優しい視線を向けてきた。

米国のノースウエスタン大学へ留学中だった2013年に全米アマで優勝し、2014年にプロ転向したフィッツパトリックは、欧州のDPワールドツアーにデビュー。

早々に通算3勝を挙げた彼は、2017年に英国の地元シェフィールドの小児病院とアンバサダー契約を結び、高額な医療費を必要とする重病や難病の子どもたちのために寄付を募る活動の先頭に立つようになった。

2019年には、エキシビジョンマッチとして創設されたヒーロー・チャレンジで優勝し、その賞金をスコットランドの青少年ゴルファーのために寄付した。

昨年は、ゴルフ関連のマネジメントやサービスを提供するトゥルーン社と協力し合い、ウクライナの国旗になぞらえた青と黄色の特別仕様のゴルフバッグを携えて7月の全英オープンに臨んだ。

そして、その青と黄色のバッグを「見たら寄付をお願いします」と必死に呼びかけた。寄付してくれた方々には「僕からお礼の品々を詰めたスペシャル・パッケージを贈ります」というフォローも忘れなかった。

集まった寄付金の金額は明かされてはいないが、「戦争による被害、とりわけ人権侵害に苦しんでいる人々の支援に役立ててほしい」というフィッツパトリックの想いを込めて、寄付金の全額がウクライナに贈られた。

ディフェンディング・チャンピオンとして今年6月の全米オープンに挑む際は、彼と弟がお世話になった英国シェフィールドのタプトン・スクールという7年生から11年生までの中等教育の学校に、「強くたくましく生きていくために心を鍛えてほしい」という気持ちを込めて、メンタルを強化するトレーニングキットを贈呈した。

そして、「どんなバックグラウンドを持つ子どもにも、ゴルフに触れてほしいし、ゴルフを楽しんでほしい」と願い、ゴルフを始めるためのスターター・キットもプレゼントしたのだそうだ。

残念ながら、フィッツパトリックの全米オープン連覇はならなかったが、メジャー1勝を含むPGAツアー通算2勝、DPワールドツアー通算7勝を誇り、世界ランキングではトップ10入りを果たしている彼は、自分自身の幼少時代やジュニア時代の経験を「何よりの財産だ」と語り、その財産があったからこそ「今の僕がある」と思っている。

そして、その財産を授けてくれたゴルフ場や学校に感謝の意を表し、寄付をしたり、慰問したりしている。1人でも多くの子どもたちに、自分ならではの貴重な財産を手に入れてほしいと願っている。

そんなフィッツパトリックが活躍している姿を見るたびに、英国や世界の子どもたちは「彼のようなプロゴルファーになりたい」と憧れの念を強めていく。

まさに、フィッツパトリックは本物のスター、子どもたちのヒーローだ。

次回は9月15日公開予定!

バックナンバー
  1. ゴルフジャーナリストが見た、
    プロゴルファーの知られざる素顔
  2. 82. 「破竹」のナップが願うこと
  3. 81. M・ホーマの「故郷への恩返し」
  4. 80. トレーラーハウスで誓ったこと
  5. 79. 命のリレー、命のショー
  6. 78. 奇跡の復活優勝、「ミーアのミラクル」
  7. 77. 「永遠の女王」A・ソレンスタム
  8. 76. L・グローバーを大きく開花させたもの
  9. 75. 大きなゴールのための小さな目標
  10. 74. 「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー
  11. 73. 「誰かのため」を最優先するホブランは、だからこそ人気急上昇中!
  12. 72. 亡き母のために「優勝して財団設立」を目指したW・クラークの勝利
  13. 71. 「脚光」と「薄幸」のビッグスター
  14. 70. 何かに苦しむ誰かのために活動する「フェアウエイの妖精」
  15. 69. 「0.006%」を潜り抜けたバックリーがもたらす幸運
  16. 68. 故郷をジュニア天国へ。S・ストーリングスの社会貢献
  17. 67. 鉄人レースに挑んだ女子プロのチャレンジ
  18. 66. 「ナイスガイだからこそ」のメジャー制覇と社会貢献
  19. 65. 個性派M・A・ヒメネスの恩返し
  20. 64. 全英女子オープン覇者がプロゴルファーである理由
  21. 63. メジャー3勝、だからこそ「感謝」と「貢献」
  22. 62. アフリカに水をもたらすゴルフ界のレジェンド
  23. 61. 一人の少年を讃えたフリートウッドの想い
  24. 60. 母国を離れて戦うC・スミスの母国愛
  25. 59. コロナ禍の犠牲者のために尽くした素晴らしき選手
  26. 58. 親友が闘病しながら創設した財団を守り続けるプロゴルファー
  27. 57. 救った子供が未来を救う、だからこそ救いたい
  28. 56. 「みんなのハッピー」を目指す女子ゴルフのスター
  29. 55. バレステロスからラームへ、スペインのヒーロー誕生物語
  30. 54. マリア・ファッシは幸せを運ぶアンバサダー
  31. 53. 「小さな奇跡」を信じて戦う意味
  32. 52. クールなP・カントレーの温かい社会貢献
  33. 51. L・トンプソン流、ユニークな社会貢献
  34. 50. 母国への想いが奇跡を起こす!?
  35. 49. 無名の48歳の「好きな言葉」「嫌いな言葉」
  36. 48. B・デシャンボーの熱くて厚い義理人情
  37. 47. 絵を描き続ける「みんなのヒーロー」
  38. 46. 助けたからこそ、助けられたゴルフ人生
  39. 45. 夢を追いかけられる社会にしたい
  40. 44. 負けても笑顔を輝かせた意味
  41. 43. 優しく強くなったR・マキロイの社会貢献
  42. 42. ファンファーレで送り出したい全英チャンプ
  43. 41. 「僕はそういう僕でありたい」ビリー・ホーシェルの感謝と恩返し
  44. 40. チャールズ・ハウエルの恩返し
  45. 39. メジャー・チャンプの恩返し
  46. 38. 「思い出づくり」と「自転車づくり」
  47. 37. 米ツアーの黒人選手の「声」の力
  48. 36. スネデカーは「超ナイスガイ」!
  49. 35. 「世界を救うため」動いたジュニアゴルファー姉妹
  50. 34. それが「私の生きる意味」
  51. 33. 「いつかは、私が」と誓った物語
  52. 32. 亡き母の名を冠したマンモバンを走らせて
  53. 31. ケビン・ナの人気が静かに高まりつつある理由
  54. 30. ゴルフ界の「子育て」と「本当の女王」
  55. 29. 苦難を乗り越えた3世代の物語
  56. 28. 光が当たらなかった場所に光を当てる
  57. 27. 世界ナンバー1の「自分流」チャリティ
  58. 26. 「手作りゴルフ場」から出発したプロゴルファーの社会貢献
  59. 25. ゴルフ金メダリストが考える手作り感覚のチャリティ活動
  60. 24. 惜しみなく与える「DJ」の物語
  61. 23. 輝く未来を抱くチャンス
  62. 22. 帝王の優しき野望
  63. 21. 「パットの名手」は「チャリティの名手」
  64. 20. 「ケビン・キスナー」の名前と存在感
  65. 19. ゴルフの世界でも「類は友を呼ぶ」
  66. 18. ライオン・ハートのジョン・デーリー
  67. 17. 往年の名選手と名キャディからの贈り物
  68. 16. 「たった4勝」でも「メジャー無冠」でも、どんどん高まるリッキー・ファウラーの人気
  69. 15. ジャロード・ライルの36年の人生が残してくれたもの
  70. 14. 苦労したからこそ、若者たちを手助けしたいと動き出したトニー・フィノウ
  71. 13. 授かった幸運を不運な人々のために役立てたいと願うジム・フューリックと妻の社会貢献
  72. 12. 選手もキャディも主役になった日
  73. 11. タイガー・ウッズの真心のチャリティ
  74. 10. 闘病しながらチャリティにも精を出し、「とてもラッキー」と言い切る強さ
  75. 09. ベン・クレーンの終わりなき社会貢献
  76. 08. だから、アーノルド・パーマーは誰からも愛された
  77. 07. デービス・ラブの愛
  78. 06. 彼が国民的スターである理由
  79. 05. ゴルフより大切なものを知って強くなったプロゴルファー
  80. 04. アーニー・エルスの山谷の越え方
  81. 03. マスターズ2勝のバッバ・ワトソンが一人の人間として抱く夢
  82. 02. 全英オープン覇者、ジョーダン・スピースの強さの秘密
  83. 01. プロゴルファーも、お医者さまも?「らしさ」って、難しい

著者プロフィール

舩越園子 近影
舩越 園子(ふなこし そのこ)

ゴルフジャーナリスト

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。
百貨店、広告代理店勤務を経て1989年にフリーライターとして独立。93年渡米。

在米ゴルフジャーナリストとして新聞、雑誌、ウエブサイト等への執筆に加え、講演やテレビ、ラジオにも活動の範囲を広げている。

『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。

アトランタ、フロリダ、ニューヨークを経て、現在はロサンゼルス在住。

最新の書籍紹介

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どれもタイガー・ウッズだが、
彼の言葉を追い、紐解いていくことで
人間・ウッズの実像が見えてくる。

そして逆境を乗り越えるために 一番大事なものとは……。

バックナンバー
  1. ゴルフジャーナリストが見た、
    プロゴルファーの知られざる素顔
  2. 82. 「破竹」のナップが願うこと
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  4. 80. トレーラーハウスで誓ったこと
  5. 79. 命のリレー、命のショー
  6. 78. 奇跡の復活優勝、「ミーアのミラクル」
  7. 77. 「永遠の女王」A・ソレンスタム
  8. 76. L・グローバーを大きく開花させたもの
  9. 75. 大きなゴールのための小さな目標
  10. 74. 「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー
  11. 73. 「誰かのため」を最優先するホブランは、だからこそ人気急上昇中!
  12. 72. 亡き母のために「優勝して財団設立」を目指したW・クラークの勝利
  13. 71. 「脚光」と「薄幸」のビッグスター
  14. 70. 何かに苦しむ誰かのために活動する「フェアウエイの妖精」
  15. 69. 「0.006%」を潜り抜けたバックリーがもたらす幸運
  16. 68. 故郷をジュニア天国へ。S・ストーリングスの社会貢献
  17. 67. 鉄人レースに挑んだ女子プロのチャレンジ
  18. 66. 「ナイスガイだからこそ」のメジャー制覇と社会貢献
  19. 65. 個性派M・A・ヒメネスの恩返し
  20. 64. 全英女子オープン覇者がプロゴルファーである理由
  21. 63. メジャー3勝、だからこそ「感謝」と「貢献」
  22. 62. アフリカに水をもたらすゴルフ界のレジェンド
  23. 61. 一人の少年を讃えたフリートウッドの想い
  24. 60. 母国を離れて戦うC・スミスの母国愛
  25. 59. コロナ禍の犠牲者のために尽くした素晴らしき選手
  26. 58. 親友が闘病しながら創設した財団を守り続けるプロゴルファー
  27. 57. 救った子供が未来を救う、だからこそ救いたい
  28. 56. 「みんなのハッピー」を目指す女子ゴルフのスター
  29. 55. バレステロスからラームへ、スペインのヒーロー誕生物語
  30. 54. マリア・ファッシは幸せを運ぶアンバサダー
  31. 53. 「小さな奇跡」を信じて戦う意味
  32. 52. クールなP・カントレーの温かい社会貢献
  33. 51. L・トンプソン流、ユニークな社会貢献
  34. 50. 母国への想いが奇跡を起こす!?
  35. 49. 無名の48歳の「好きな言葉」「嫌いな言葉」
  36. 48. B・デシャンボーの熱くて厚い義理人情
  37. 47. 絵を描き続ける「みんなのヒーロー」
  38. 46. 助けたからこそ、助けられたゴルフ人生
  39. 45. 夢を追いかけられる社会にしたい
  40. 44. 負けても笑顔を輝かせた意味
  41. 43. 優しく強くなったR・マキロイの社会貢献
  42. 42. ファンファーレで送り出したい全英チャンプ
  43. 41. 「僕はそういう僕でありたい」ビリー・ホーシェルの感謝と恩返し
  44. 40. チャールズ・ハウエルの恩返し
  45. 39. メジャー・チャンプの恩返し
  46. 38. 「思い出づくり」と「自転車づくり」
  47. 37. 米ツアーの黒人選手の「声」の力
  48. 36. スネデカーは「超ナイスガイ」!
  49. 35. 「世界を救うため」動いたジュニアゴルファー姉妹
  50. 34. それが「私の生きる意味」
  51. 33. 「いつかは、私が」と誓った物語
  52. 32. 亡き母の名を冠したマンモバンを走らせて
  53. 31. ケビン・ナの人気が静かに高まりつつある理由
  54. 30. ゴルフ界の「子育て」と「本当の女王」
  55. 29. 苦難を乗り越えた3世代の物語
  56. 28. 光が当たらなかった場所に光を当てる
  57. 27. 世界ナンバー1の「自分流」チャリティ
  58. 26. 「手作りゴルフ場」から出発したプロゴルファーの社会貢献
  59. 25. ゴルフ金メダリストが考える手作り感覚のチャリティ活動
  60. 24. 惜しみなく与える「DJ」の物語
  61. 23. 輝く未来を抱くチャンス
  62. 22. 帝王の優しき野望
  63. 21. 「パットの名手」は「チャリティの名手」
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  66. 18. ライオン・ハートのジョン・デーリー
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  68. 16. 「たった4勝」でも「メジャー無冠」でも、どんどん高まるリッキー・ファウラーの人気
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  74. 10. 闘病しながらチャリティにも精を出し、「とてもラッキー」と言い切る強さ
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  77. 07. デービス・ラブの愛
  78. 06. 彼が国民的スターである理由
  79. 05. ゴルフより大切なものを知って強くなったプロゴルファー
  80. 04. アーニー・エルスの山谷の越え方
  81. 03. マスターズ2勝のバッバ・ワトソンが一人の人間として抱く夢
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  83. 01. プロゴルファーも、お医者さまも?「らしさ」って、難しい