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2024/12/06
移植医療体制の抜本見直し案、厚労省臓器移植委が了承…移植希望者の複数施設登録を可能に
移植医療体制の抜本見直し案、厚労省臓器移植委が了承…移植希望者の複数施設登録を可能に(医療ニュース)
移植医療体制改革を検討してきた厚生労働省の臓器移植委員会は5日、移植希望者が移植を受ける施設の複数登録を可能にし、臓器あっせん機関の日本臓器移植ネットワーク(JOT)から業務の一部を新設法人に移行する最終案を了承した。脳死下の臓器提供数の増加で、移植施設が人員や病床の不足などから臓器の受け入れを断念している問題などを受け、抜本的に見直す。
1997年の臓器移植法施行後初の大幅な改革となる。国内の待機患者は今年10月末現在で約1万6500人いる。移植施設が臓器受け入れを断念しても別の施設で移植を受けられるよう患者が登録する施設を現在の原則1か所から複数にする。今年度中にJOTのシステムを整備し、当面は登録できる施設を2か所までとする。
患者が施設を選ぶ手がかりとして施設ごとの待機患者数や移植実施数なども公表する。移植後の患者の生存率といった移植成績に関する情報については、関連学会で検討を進めるとした。
JOTから、臓器提供者(ドナー)家族への臓器提供の説明や同意取得などを切り離し、地域ごとに置く新設法人に移譲する。
臓器提供の経験が浅い施設を支援する拠点施設を大阪府や北関東、甲信越などに設置する。
また、知的障害などで意思表示が困難な15歳以上の人について、家族の臓器提供の同意があっても提供を見合わせるとしている臓器移植法の運用指針も改正する。本人の意思を丁寧にくみ取り、臓器提供の可否を判断するように見直す。
同委員会での議論や障害者団体などからの意見を踏まえ、厚労省は、障害があっても意思の推定が可能であれば、臓器提供を可能とする方針を示した。今後、改正への意見を募るパブリックコメントを実施する。
厚生労働省は5日、今年9月に公表した臓器受け入れ断念の初の実態調査結果について、2023年に人員や病床の不足など院内態勢が整わないことを理由に臓器の受け入れを断念したのは25施設から26施設に、移植が見送られた患者数は、のべ509人から803人に訂正すると発表した。
集計ミスに加え、左右に一つずつある肺と腎臓について集計方法を変えたことが理由としている。[全文を読む] -
2024/12/06
iPS細胞から作った目の網膜細胞の移植、「先進医療」として申請へ…移植細胞の定着しやすさに期待も
iPS細胞から作った目の網膜細胞の移植、「先進医療」として申請へ…移植細胞の定着しやすさに期待も(医療ニュース)
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜の細胞を移植する臨床研究を進めてきた神戸市立神戸アイセンター病院は、早ければ来年1月にも、この治療を入院や検査の費用に公的保険を利用できる「先進医療」として厚生労働省へ申請することがわかった。認められれば、iPS細胞を使った細胞移植治療では初となる。
神戸アイセンター病院の栗本康夫院長らのチームは、網膜を支える色素上皮細胞の層が変性して視力が低下したり、視野の中心部がゆがんだりする「網膜色素上皮不全症」の患者の目に、iPS細胞から作った網膜色素上皮細胞を、髪の毛ほどの太さのひも状に加工して移植する治療法の開発を進めている。
この方法は手術が比較的容易で、移植した細胞が定着しやすいと期待されている。これまでに30~60歳代の男女の患者3人の網膜に移植を行い、安全性などが確認できた。見え方が改善した人もいるといい、栗本院長らは6日から大阪市で開かれる学会で、3人の治療後の詳しい経過を報告する。
先進医療は、まだ実施例が少なく、保険適用されていない先駆的な治療や検査について、費用負担を抑えることで実施例を増やし、将来の保険適用を目指す仕組みだ。治療そのものの費用は患者や医療機関が負担するが、入院費など関連する医療費の一部は公的保険を使うことができる。
チームは、移植する細胞の数を増やして患者15人に実施する新たな臨床研究を計画している。
厚労省の再生医療の専門部会は昨年以降、この計画について先進医療の申請を認めるかどうかの検討を行っており、申請後は同省の先進医療に関する専門家会議で議論される。
栗本院長は「先進医療になれば多くの施設で移植ができるようになり、より一般的な治療に近づく」と話している。[全文を読む] -
2024/12/05
新型コロナ治療薬「ゾコーバ」「ラゲブリオ」、妊娠可能性の女性は慎重に…厚労省が医師に注意喚起
新型コロナ治療薬「ゾコーバ」「ラゲブリオ」、妊娠可能性の女性は慎重に…厚労省が医師に注意喚起(医療ニュース)
新型コロナウイルスの治療薬「ゾコーバ」と「ラゲブリオ」について、厚生労働省は4日、妊娠する可能性のある女性への投与に際しては慎重に検討するよう添付文書に追記する方針を決めた。専門家調査会で了承された。胎児に悪影響が出る恐れがあるため、妊婦らへの使用は禁じられているが、投与後に妊娠が判明した事例の報告が続いており、処方する医師らに改めて注意喚起する。
厚労省によると、投与後の妊娠判明事例は、今年10月末時点で、ゾコーバが計54人(うち今年度17人)、ラゲブリオが計19人(同2人)報告されている。改訂案では、投与前に十分な問診を行い、妊娠している可能性がないことを確認することや、投与の必要性を十分に検討することを求めた。[全文を読む] -
2024/12/04
高額療養費の自己負担、上限5~15%引き上げ案…保険料軽減狙い厚労省検討
高額療養費の自己負担、上限5~15%引き上げ案…保険料軽減狙い厚労省検討(医療ニュース)
医療費が高額になった場合に患者の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」を巡り、厚生労働省は自己負担の上限額の引き上げ幅を5~15%とする方向で検討に入った。受診控えにつながらないよう、低所得者の引き上げ幅は抑制する方針だ。4日の自民党社会保障制度調査会や、5日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で提示する。
高額療養費制度は、1か月あたりの自己負担の上限額を超えた場合に超過額が払い戻される仕組み。現行制度では、医療費が月100万円かかった場合の自己負担額は、年収370万~770万円で約8万7000円、年収1160万円以上で約25万4000円となっている。
11月の医療保険部会では「一定程度の引き上げ」を目指す方針が了承された。厚労省は引き上げ幅の検討を続けており、年末までに結論を得たい考えだ。
上限額の引き上げには、現役世代の公的医療保険料の負担を軽減する狙いがある。現在、上限額は年収に応じ、70歳未満では五つ、70歳以上では六つに区分されているが、厚労省は区分も細分化する方針を示している。
厚労省の試算によると、各区分で一律に5%引き上げた場合、1人当たりの保険料は年額600~3500円軽減される。15%引き上げた場合は、1200~5600円軽減される。厚労省は早ければ2025年夏に自己負担の上限を引き上げ、26年夏に区分の細分化にも取り組む考えだ。
高齢化の進展や医療の高度化で、高額療養費の支給総額は12年度の2・1兆円から21年度には2・8兆円に膨らんだ。厚労省は、引き上げの理由として、賃上げなどを通じて世帯収入が増加していることや、物価上昇が続く中で現役世代を中心に保険料負担の軽減を求める声が多いことを挙げている。[全文を読む] -
2024/12/02
緊急性低い救急搬送には「特別料金」、茨城県が徴収開始…「微熱のみ」「擦り傷」など医師が判断
緊急性低い救急搬送には「特別料金」、茨城県が徴収開始…「微熱のみ」「擦り傷」など医師が判断(医療ニュース)
微熱や切り傷といった緊急性がないか低い症状で救急搬送された場合、病院が患者から「選定療養費」として原則7700円以上を徴収する取り組みが2日、茨城県で始まった。都道府県単位で制度として適用するのは初めて。軽症患者の搬送による救急業務の 逼迫ひっぱく は全国的な課題になっており、現場の負担軽減につながるかが注目される。
軽症患者の救急搬送が多くなると、救急車の運用や病院の受け入れ体制が逼迫し、重篤患者の救急搬送が遅れて命を落とすことになりかねない。
県内の救急搬送は2023年に14万3046件(速報値)と過去最多を更新したが、このうち47・9%が軽症だった。県は制度の導入により、搬送患者数が「2割ほど減る」とみる。
選定療養費は、200床以上の大規模な病院で紹介状なしに受診した初診患者から徴収する特別料金で、16年の健康保険法改正で導入された。料金は医療機関に支払われる。茨城県は今回、制度の対象を救急搬送患者に拡大した。医療機関の医師が緊急性がないと判断した場合に徴収し、県内22の病院が適用する。
同県つくば市の筑波メディカルセンター病院では、年間で6000人近い救急搬送患者を受け入れる。阿竹茂・救命救急センター長(62)は「このままでは重症患者の受け入れができなくなる。現状が改善される」と新制度に期待する。
ただ、県議会からは「緊急性の高い患者も119番を躊躇するのでは」との懸念も出ている。このため県は10月、「微熱のみ」「軽い擦り傷」など、徴収の可能性がある12の例を記した指針を公表した。県民に対しては、救急車を呼ぶべきか迷う際には「#7119」や「#8000」などの電話相談を活用するよう呼びかける。
総務省消防庁によると、全国の救急出動数は増加傾向にあり、救急搬送の適正化が課題になっている。23年は763万7967件(前年比40万8395件増)と過去最多を記録したが、このうち軽症のケースが48・4%を占めた。
三重県松阪市では6月、選定療養費の徴収制度を基幹3病院で導入した。市は8月末までの3か月間で、救急車の出動件数が前年同期比で21・9%減ったとする調査結果を10月に公表。帰宅した軽[全文を読む] -
2024/12/02
きょうマイナ保険証に「一本化」、従来型も最長1年有効
きょうマイナ保険証に「一本化」、従来型も最長1年有効(医療ニュース)
現行の健康保険証は2日に新規発行が停止され、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に原則として移行する。混乱を回避するため、従来の保険証は2025年12月1日までの最長1年間使用できる。マイナ保険証の利用は低迷しており、円滑な移行には今後、利用の促進をどこまで図ることができるかが課題となる。
マイナ保険証の利用登録は、10月時点で7747万人が手続きを済ませている。全国の医療機関や薬局の92%(9月時点)がマイナ保険証に対応する。
従来の保険証の使用は、市区町村が運営する国民健康保険と後期高齢者医療保険では来夏までが基本で、会社員らが入る健康保険組合や全国健康保険協会は最長の1年間になる。
従来の保険証の期限切れ前に、マイナ保険証を持っていない人や、マイナカードを保険証として利用登録していない人には、申請しなくても健保組合などから「資格確認書」が交付される。病院で提示すれば、従来の保険証と同じように保険診療を受けられる。
マイナ保険証を使った場合、本人が同意すれば、医師は病院の受診歴や処方薬の履歴を確認できる。従来は新規加入や転居・転職時に新たに保険証を発行してもらう必要があったが、マイナ保険証は継続して利用できるメリットもある。
ただ、他人の情報がひも付けられたトラブルなどの影響で、マイナ保険証の利用率は10月時点で15%にとどまっている。高齢者を中心に不安を抱く人が多く、政府は国民の不安 払拭ふっしょく に向け、利便性の理解につながる情報提供に力を入れる方針だ。[全文を読む]
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