医者が知らない医療の話
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連載バックナンバー

『医者が知らない医療の話』

著:中川 泰一

現代のがん治療は、大きく分けて「外科手術」「抗がん剤」「放射線治療」を組み合わせたものが一般的です。しかし、がんは世界中で研究がされており、重粒子線治療や分子標的治療薬、免疫療法といった新たな治療法が世界中で次々と生まれています。
この連載では、がん治療を専門にされている中川泰一先生に、がん治療の現状や問題点、最新の治療法などについて語っていただきます。

バックナンバー一覧

2018.5.10

第8回 食物繊維の摂取量の減少と肥満

「免疫とは非自己を見つけ出し破壊する作用である」と思っていないだろうか? もう少し詳しく言うなら「非自己」に癌細胞などの「異常な自己細胞」を加えても良い。自己の細胞を攻撃するのは免疫システムの異常で「自己免疫性疾患」とされている、と。ところが免疫系は自己を攻撃することもあるし、非自己を攻撃しない事もある...[ 続きを読む ]

2018.4.10

第7回 免疫系に重要な役割を持つ腸内細菌

「免疫系と腸内細菌の関係へと話が進んだのだが、どうも肥満に対する関心が高いようで。そこで今回はもう少し掘り下げてみよう。以前、肥満は単にカロリー摂取だけでは説明できない。腸内細菌の分布により体内にどれだけ吸収されるかが大切と書いた。じゃどうすればいいの?を書いてないから突き放したように思われたみたいだ...[ 続きを読む ]

2018.3.10

第6回 肥満も感染症? 免疫に関わる腸の話(2)

腸が免疫系に大いに影響している事はご存知だと思う。人には腸だけでも100兆個もの微生物が存在している。消化管は人体の構造から見れば、皮膚と同様に「体外」との接点だ。よって、腸を通過するあらゆる分子や細胞を免疫系が監視している。免疫細胞の6割が腸にあり、その基地が虫垂だ。では、なぜ腸内細菌は免疫系によって排除されないのか。それは、人体にとって腸内細菌が必要であるからだ。簡単に言うと...[ 続きを読む ]

2018.2.10

第5回 肥満も感染症? 免疫に関わる腸の話(1)

実は免疫療法は癌治療に有用なだけでは無い。特に「腸内フローラ」や「マクロファージ活性化」は「免疫」関連の治療法だが、他の疾患にも有効性が高い。現在の難病と言われる疾患はその原因の殆どが免疫異常だ。癌などは免疫の低下であるが、アトピー、花粉症はじめ、潰瘍性大腸炎などもいわゆる自己免疫疾患だ。つまり...[ 続きを読む ]

2018.1.10

第4回 なぜ免疫療法なのか? (1)

一般的に10mm以下の癌は画像で捉えられない。「オレは5mm以下でも見付けるぞ!」と言われるエコーの名人の先生もおられるが、はてそんな先生が何人おられるか? 一般の患者さんがそんな先生に見てもらえる確率は限りなく低い。早期癌にしろ再発にしろ、画像に捉えられない癌は、オペや放射線治療の対象にならない。腫瘍マーカーが高いと言うだけで、副作用の強い抗癌剤を投与するわけにも...[ 続きを読む ]

2017.12.10

第3回 がん治療の現状(3)

前回までで、私の治療スタンスはなんと無く解っていただけたと思う。一言で言うと「やれる治療は全部しましょう」だ。残念ながら、どれか一つの治療法で癌が完治することはほとんどない。早期発見で、Opeが出来、その後生活態度が改まったりした場合ぐらいか。その他の標準療法で対応できない症例に対して、何か良い方法がないかと常に模索...[ 続きを読む ]

2017.11.10

第2回 がん治療の現状(2)

「自然治癒派」についてだが、標準治療も含めて全く治療を否定するのは流石に論外だが、一理ある部分もあると思う。癌とは究極の生活習慣病である。癌遺伝子があるだけで癌になる訳ではない。後天的なイニシエーションが働いて発癌していくのである。例えば、肺癌の遺伝子を持っている人が一日60本タバコを吸っていれば...[ 続きを読む ]

2017.10.10

第1回 がん治療の現状(1)

医師としての私の専門分野は「癌」と「医療情報」である。大学で肝臓癌に電極を刺して焼灼する「経皮的マイクロウエーブ焼灼術」という治療法の開発に携わっていた。学会内で各大学が提案してくる治療法の中から、優位性が認められ、保険収載されるまでをつぶさに経験してきた。近年は、名人芸の必要なこの治療より、誰でも広範囲を焼灼できる「ラジオ波」が主流になっている...[ 続きを読む ]

著者プロフィール

中川 泰一 近影中川 泰一

中川クリニック 院長

1977年関西医科大学卒業。1995年関西医科大学大学院博士課程修了。
1995年より関西医科大学附属病院勤務などを経て2006年、ときわ病院院長就任。
2016年より現職。


バックナンバー
  1. Dr.中川泰一の
    医者が知らない医療の話
  2. 08.食物繊維の摂取量の減少と肥満
  3. 07.免疫系に重要な役割を持つ腸内細菌
  4. 06.肥満も感染症? 免疫に関わる腸の話(2)
  5. 05.肥満も感染症? 免疫に関わる腸の話(1)
  6. 04.なぜ免疫療法なのか?(1)
  7. 03.がん治療の現状(3)
  8. 02.がん治療の現状(2)
  9. 01.がん治療の現状(1)

 

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