家族の夕食で教える政治(11:21)

ハジャ・シャリーフ(Hajer Sharief)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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20年前 我が家では「金曜民主会議」という システムを導入しました 毎週金曜日の午後7時に 家族が集合して正式な会議を開き 現在の家族の問題を 議論するのです この会議は 両親の どちらかによって 進行がなされ 書記も置いていました

会議には2つの 決まりがありました 1つ目は オープンで自由に 発言して良いという事 私達子供が 親の批判をしても 無礼や不躾と見られることは ありません 2つ目は「チャタムハウスルール」で 会議で言われた事は その会議内で収めるというものです

(笑)

その会議で議論される話題は 週ごとに変わりました ある週には 食べたい物についてや 私達子供は何時に寝るべきか 家族として 物事を どう改善していくかを話し合い 別の会議では 学校で起きた 様々な出来事や 兄弟同士の諍いの 解決策を論じました 本当にひどい喧嘩 ということです― それぞれの会議の終わりには 少なくとも次の会議まで有効な 同意や決定に至りました

だから 私は政治家として育てられた と言えるでしょう 6、7歳までに 私は政治術を身につけたのです 交渉したり 折り合いを付けたり 他の政治家と共闘したり

(笑)

一度政治プロセスを 壊そうとした事さえあります

(笑)

この会議は 穏やかで整然とし 民主的に思えますよね? でも いつもそうとは 限りませんでした 意見し 議論し合い 批判する オープンで自由な場であるため 時折 議論が本当に 白熱してしまうのです

ある会議で 私は 本当に不利な立場になりました 当時 私は10歳ぐらいで 学校でとても 酷い事をしてしまったのです ここではとても言えない ようなことです

(笑)

でも 兄がそれを 会議に持ち出すことにしたのです 私は自分を正当化できなかったので 会議から退席し このシステム自体をボイコットしました 文字通り 公式の文書を書いて ボイコットを宣言し その文書を 父に手渡しました

(笑)

私がこの会議への 出席をやめれば 体制は崩壊すると 思ったのです

(笑)

しかし 家族は会議を継続させ しばしば 私の気に入らない決定を下しました でも 私は異議を唱える事が できませんでした 会議に出席していなかったので 決定に反対する権利が なかったのです

皮肉にも 13歳ぐらいになった時 私は会議の1つに また出席する事になりました 長い間 ボイコットを 続けた挙句の事です それは 私にしか関わらない 他の家族が誰も取り上げない問題が あったからです その問題とは 夕食後に毎回 私だけが皿を洗うよう言われ 兄達は夕食の後片付けを 何もしなくて良かった事です これは不当で不公平で 差別的だと感じ 会議でこれを 議論したかったのです お分かりのように 家事労働を 女の役割とするのは 長い間 多くの社会で 行われてきた慣習です 13歳の少女がそれに異を唱えるには 何らかの場が必要でした

会議の中で 兄達はこう言いました 男で皿を洗ってる奴なんて 聞いたことがない なのに 何故 我が家だけが違うんだ? しかし 両親は私の意見に同意し 兄達も私を手伝うべきだと言いました しかし兄達に強制はできず 問題は続きました

私の問題が解決しないので もう一度会議に出席する事に決め 誰にとっても公平になる 新たな方法を提案しました 家族全員の皿を 1人が洗うのではなく 家族の1人1人が 各自の皿を洗うのです 善意の証として 自分が鍋も洗うと申し出ました こうして兄達は 皿を洗い 後片付けをする事は 男である自分達の仕事ではない という議論は もはやできなくなりました 家族のメンバーが各々自分の後始末をし 自分の事は自分でやるというのが 私の提案した方法だったからです

全員が私の提案に賛成してくれて ずっと それが我が家の 皿洗いの流儀になりました

皆さんに今お話ししたのは 家族内の話ですが 純粋な政治の話でもあります 政治のあらゆる部分には 意思決定が含まれており 理想を言えば 意思決定の過程には 様々な背景、利害 意見、性別、思想信条、人種 民族、年齢の人達が 含まれるべきです そして 意思決定の過程に貢献し 自分達の生活に直接間接に 影響する決定に関与する機会を 彼ら全員が等しく 持つべきです そう考えると 私には 若者達が こう言うのを理解し難く思うのです 「政治に関わったり 政治的な意見を持つには 自分は若すぎる」 女の人達が「政治は汚い世界だから 関わりたくない」と言うのもそうです 政治や政治参加という概念が 世界の多くの地域で二極化していることを 私は懸念しています 普通の人達は 政治に参加するためには ずけずけ物を言う活動家になる 必要があると感じていますが そんなことはありません 私は若者、女性、 普通の人達に聞きたいのです 政治に無関心だとか不参加でいて 本当に大丈夫なのか?

政治は行動主義というだけでなく 自覚的である事 常に情報を把握しておく事 事実を望む事であり 可能なら1票を投じる事です 政治は グループや社会として 自分達を組織するための道具です 政治は生活の あらゆる側面に関わり 政治に参加しないと 自分の事を 他人が決めることになるんです 何をどこで食べるかも 医療を利用できるかも 無償で教育を受けられるかも どれだけ税金を払うかも いつ引退でき どれだけ年金をもらえるかも 他人はまた あなたを人種や民族によって 犯罪者だと決めつけたり 宗教や国籍によって テロリストのリストに 加えるかもしれません それでもまだ 自分は 政治に影響を受けない 強い自立した人間だと思うのなら もっとよく考えて下さい

私はリビア出身の若い女性として 皆さんにお話ししています 私の国は内戦の只中にあります 40年以上にわたる 独裁支配の後で 女性や若者による 政治参加は 可能でなく 推進されてもいません 過去数年間に行われた 政治的議論のほとんどは 外国勢力によって 招集されたものでさえ 中年の男性のみによるものでした しかしリビアのように 政治システムが壊れている場所や 国際的組織を含む 一見正常に 機能しているかに見える場所においても こんにち 政治的意思決定を 行うための仕組みは 国民による 国民のためのものではなく 少数によって 少数のために 作られてきました そして その少数は 歴史的にほとんど男性のみであり そして彼らは 法律や政策や 政治参加の仕組みを 1つの集団の意見 信条、世界観 夢、望みに基づいて 作り出していて 他の人はみんな 締め出されているのです そして私たちは こんなことを聞かされてきました 「女子供や有色人種に 政治の何が分かるって言うんだ?」

あなたが若いなら そして世界の多くの場所では 女性も ベテラン政治家が言うのを耳にするでしょう 「でも君には政治的経験が足りない」 それを聞くと 私は 何の経験の事を 言っているのだろうかと思うのです 腐敗した政治システムにおける 経験でしょうか? それとも 戦争をする経験? それとも 環境よりも 経済的利益を優先する経験を 彼らは言っている のでしょうか? もしそれが 政治的経験だと言うのなら 答えは イエスです—

(拍手)

私達女性や若者には 政治的な経験が 全くありません

でも政治家だけが 責められるべき ではないのかもしれません 普通の人達や 多くの若者のほうも 政治に無関心だからです 政治を気に掛ける人であっても どう参加すればよいのか分かっていません

これは変えねばなりません 私の提案はこうです 意思決定や 政治参加のやり方について 早い時期からみんなに 教える必要があります それぞれの家庭に 独自の 小さな政治体制がありますが それは大抵 民主的ではありません 家族全員に影響する決定を 両親が行い 子供達にほとんど 発言権がないからです 同様に 国家全体に影響する決定を 政治家が下していて 国民にはわずかな 発言権しかありません

私達はこれを変える必要があり この変革をきっちり 実現するためには 人々に教える必要があります 政治的、国家的、世界的な問題は 個人的問題や家族の問題と同じくらい 各自に大きく関わるのだと―

もしこれを実現したいなら 私のお勧めは 民主的家族会議のやり方を 試してみる事です それによって 子供達は幼い頃から 自分の力を行使し 意思決定をすることが できるようになるからです

政治とは 話し合いを持つ事です それは 決定を導くための 難しい議論も含みます 話し合いをするためには 参加する必要があり 子供の頃 私がしたように 棄権してはいけません 苦い経験から教訓を学び 再び戻ることになります 家族の議論に 子供を参加させれば 彼らは成長して 政治的議論への関わり方が 分かるようになり そして さらに重要なことに 他の人の参加も 手助けするようになるでしょう

ありがとうございました

(拍手)

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このプレゼンテーションについて

誰もが意思決定や政治に参加すべきであり、それは家庭から始まるのだと、活動家のハジャ・シャリーフは言います。彼女はシンプルでありながら革新力のあるアイディアを紹介します。家庭内のことについて子供達に発言権を与えることで、親は子供達に政治の力について教えることができ、そのための場として率直な家族会議を開き、みんなが自分の意見を言い、交渉し、妥協できるようにするのです。「私達は人々に、政治的、国家的、国際的な問題は、個人的問題や家庭の問題と同じくらい各自に大きく関わるのだと教える必要があります」と彼女は言います。「政治に無関心だとか不参加でいて本当に大丈夫なのですか?」

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