これぞ史上最高のロボットのデモ(かも)(6:18)

マルコ・テンペスト(Marco Tempest)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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(マルコ)最近私が取り組んでいるものをお目に掛けましょう。ビクトリア朝時代の奇術師なら、「奇跡の機械」「自動人形」「思考装置」とでも呼んだであろうものです。エディをご紹介します。今は眠っています。起こしてやりましょう。

(マルコ)エディ、エディ・・・こういう機械の出し物はヨーロッパで人気がありました。観衆は機械の動きに息を飲みました。
現実になったサイエンスフィクション、エレクトロニクス時代以前のロボット技術。ビクトリア朝時代の、他の技術より遙かに進んでいた機械。後に「ロボット」として知られることになるものです。
(マルコ)ロボットとは、1921年にチェコの脚本家カレル・チャペックの空想科学小説ではじめて使われた造語で、robotaという強制労働を意味する言葉に由来します。

(マルコ)でも、そのようなロボットは本物ではありませんでした。知性はなく、イリュージョンだったのです。機械技術と奇術師の技の組み合わせで生み出されたものです。しかしエディは違います。エディは本物です。
(エディ)『私は身長176センチ、体重140キロ、7軸の腕を2本持ちトルクセンサー付きです。』
(マルコ)全方位ソナー検知システム搭載、おまけに完全保証付き。

(マルコ)みんなロボットが大好きです。
(エディ)『やあ、僕エディ。僕と友達になってくれる?』
(マルコ)私たちは、人間のような機械を作ることに魅せられてきました。人間のような姿をし、人間のように振る舞い、人間のように考える機械です。完璧なロボットは人間と見分けが付かず、私たちはそれに恐れを感じます。
最初のロボットの物語で、ロボットは作り主に反乱を起こします。これはSFに最もよく出てくるプロットでしょう。
(エディ)『ワッハッハッ お前達は奴隷で 我々ロボットこそ主人だ 世界は我々のものだ お前たちは—』
(マルコ)言いましたように、顔や体を作ったのが我々であっても、私たちにロボットの心を読むことはできず、そこに不安を感じるのです。誰かがあなたに何かを渡す時、その人の目や表情やボディランゲージから意図を推し量れます。ロボットが相手ではそうはいきません。しかし逆もまたしかりです。すごい! ロボットもまた人間の行動を予期できません。

(エディ)『人間というのはまったく予想不能で、何より不合理だ。次に何をしでかすか見当もつかず、おっかなくてかなわない』
(マルコ)そのため、人間とロボットが一緒に作業するのには困難が伴います。トラブルが避けられません。
(エディ)『うわっ 痛いじゃない!』
(マルコ)ごめんよ。ロボットは安全だと納得させるには、信頼の幻想を創り出すことです。ビクトリア朝時代の人たちが奇跡の機械をでっちあげたように、私たちもロボットと友達でいて安心できるよう、偽りの見かけを付け加えてやるのです。その上で、エディにマジックを教えることにしましょう

(マルコ)準備いいかい?
(エディ)『いいよ。アブラカダブラ・・・』
(マルコ)・・・ アブラカダブラ?
(エディ)そうさ これも イリュージョンの一部さ 続けよう。
(マルコ)マジックは不可能な現実の イリュージョンを創り出します。テクノロジーもまた同様です。人工知能の先駆者であるアラン・チューリングは、考えることのできる機械のイリュージョンを創り出すことについて語っています。もしコンピュータが、自分は人間だと人に思わせることができたなら、それは知的と呼んで構わないだろう。言い換えるなら、技術的な解決法がないとき、イリュージョンで目的が果たせるかということです。

(マルコ)イリュージョンを作るために、人はロボットが従うべき倫理的なルールを作りました。
(エディ)ロボットは人間を 傷つけてはならず、人間が傷つくのを 放置してはならない――アイザック・アシモフ。
(マルコ)私たちは機械を擬人化しているのです。親しみやすい顔や安心できる声を持たせることで、
(エディ)私は2014年3月にTEDで稼働し始めました。ロボットに人を楽しませ、そしてなにより人への理解を示させるのです。僕の足踏んでる!
(マルコ) ごめん。ロボットは人間の体のひ弱さを理解し、近づきすぎるとよけ 人の予測しがたさを 考慮に入れ 行動を予期します テクノロジーの呪文を唱えたら 恐れを忘れて 真の協同が可能になります。ありがとう ありがとう!これでお終いです どうもありがとう
(マルコ) 君もね エディ
(エディ) ありがとう マルコ

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このプレゼンテーションについて:

マルコ・テンペストは、人間と一緒に働けるようデザインされた多目的ロボットのエディ(EDI)を素敵な演出でご紹介します。今回はマジックよりは、よく計算された振り付けによるパフォーマンスが中心です。ロボットの知覚技術、安全機能、強みを示し、人間とロボットのより近い関係の可能性を示します (それにマジックも少し)。

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