アフリカの力強さと魂を称えるファッション(04:55)

ワレ・オイェジデ(Walé Oyéjidé)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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歴史は勝者によって 語られると言います それが事実ならば 敗者はどうなってしまうのでしょう 自らの過去の栄光を知ることなくして 大きな野望を抱くことなど 望むべくもありません

表向きには 私はただの服飾デザイナーです しかし私は古い織物や 現代の布地のうちに より崇高な使命を 見いだしました デザイナーの仕事を通して 私は 社会の周縁に 追いやられてきた人々を 代弁するということの重要性と 最も弱い立場にある人々に こう語りかける重要性を見いだしました 「譲歩しようとしない大多数と 折り合うために 自分を偽る必要は もはやないのだ」と 多くの人々がファッションを 取るに足らないものだと 考えていますが 実は 偏見を取り除き 過小評価されている人々が 自己表現をするための 強力なツールとなるのです

デザインで社会を 変えようと思ったのは 個人的な理由からです 私はナイジェリア系アメリカ人なので 「アフリカン」という言葉が いかに容易に 地理的な意味合いを離れて 軽蔑的に用いられるかを 知っています 美しいアフリカ大陸に バックグラウンドを持つ者にとって アフリカ人であることは 文化にインスピレーションを受け 未来へ絶えず希望を 持ち続けることなのです ですから 私の生まれ故郷 アフリカに対する誤ったイメージを 払拭するために 私は物語を伝える手段として デザインを使います 喜びの物語や 勝利の物語 アフリカから人々が国外へ 離散する中での忍耐の物語など

私はこれらの物語で 歴史の誤った部分を 正していきたいと考えています なぜなら どこの出身であろうと 私たちはそれぞれに 異国に行かざるを得なかった家族の 複雑な歴史に 心を打たれたことがあるからです こうした歴史によって 世界の見方が作られてしまい その見方のせいで 数々の偏見が生まれてしまいました この偏見を打ち砕くため 私の作品では 世界各地の美の様式を使い 偏見のない世界を 求めて闘うことの 大切さを訴えています ヨーロッパの古典的なデザインを アフリカらしい美と 融合させることで 黒人を中心人物に据えることができ かつては持ち得なかったような 威厳をもって描くことができます 歴史的に受け入れられてきた アフリカ人は劣っているという言説を覆し 「洗練されておらず 優雅さに欠ける」という 見られ方を 警戒するようになった黒人を 鼓舞してくれるのです

このように 文化を覆すような織物が 仕立てられて服になったり 私が偶然にも身に着けている スカーフになったりします

(笑)

ヨーロッパの古典主義を 枠組みとしながらも こうした物語はアフリカ人の 地位の向上を大胆に後押しします こうして 巨匠のツールは かつては抑圧されていた人々を 称えるための傑作となるのです

この比喩は 芸術の世界にとどまらず 現実の世界にも広がっていきます この衣服を身につけるのが難民であろうと 革新を担う起業家であろうと 人がそれぞれの個性を 十分に生かせる形で ありのままの自分を 表現する自由を手にすると 魔法のようなことが起こります 胸を張って 誇りを持つことができるのです 偽りのない 真の自分を 表現しているからです そうすると 周りの人々も触発されて 心を開き 異なる意見に 寛容になれるでしょう このようにして 私たちが身に着ける服は 外交的なソフト・パワーに なりえるのです 服は 分断されているように 見える文化を つなぐ架け橋になれるのです

ですから 表面的には 私はただの服飾デザイナーですが 私の作品には常に ファッション以上の意味があります 文化にまつわる物語を 再構築することを目標にしています そうすることで 黒人に対して 新たに含みのある理解がなされ そして私たち― 誇り高きサハラ以南の アフリカ出身者が 胸を張り 誇りを持って 世界に進出できるようになるのです

確かに 歴史は かつての勝者によって 語られてきましたが 私は新しい世代です 私のデザインは 過去に煩わされずに 未来へ向かう人々に語りかけます いま 私たちは 妥協も 遠慮もせずに 自らの物語を語る準備が できています 残る問いは こうです あなたがたに 耳を傾ける準備はありますか? 心構えはしておいてください いずれにせよ 私たちは語るのですから

(拍手)

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このプレゼンテーションについて

TEDフェローであり、デザイナーのワレ・オイェジデは「アフリカ人であることとは、文化にインスピレーションを受け、絶えず未来への希望を持ち続けることだ」と語っています。Ikiré Jones(イキレ・ジョーンズ)という自身のブランド(マーベル制作の映画『ブラックパンサー』で作品を見ることができます)で、彼は古典的なデザインを用いて、社会で度々周縁に追いやられてきた人々の持つ美しさや優雅さを表現し、物語性のある美しい服を作りだしています。

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