100日間拒絶チャレンジで学んだこと(15:31)

ジャ・ジャン(Jia Jiang)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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6歳のとき 私は贈り物を受け取りました 1年生の担任の先生が すばらしいアイデアを思いついて 先生は私たちに 贈り物をもらうだけではなく 互いに褒め合う美徳を学ぶことも 体験させたいと考えました 先生はクラス全員を 教室の前の方に来させ 買っておいた全員分の贈り物を 教室の隅に積み上げました そして先生は言いました 「ここに立って お互いに褒め合いましょう 褒められた人は 贈り物を取って席に戻ってください」 すばらしい考えでしょう? 問題なんて起きっこないと。

観衆:(笑)

最初40人いました 誰かの名前が上がるたびに 私は心から応援しました そして残り20人となり 10人となり 5人となり そして3人が残りました 私はそのうちの1人でした そして褒め言葉が止みました その時点で 私は泣いていました 先生も慌て始めました 「この子たちに何か良いことを 言ってあげる人いないの?」

観衆:(笑)

「誰もいないの?だったら 贈り物を取って席に戻りなさい 来年は良い子にして 褒めてもらえるようになりなさい」と。

観衆:(笑)

私の話を聞いて 私がこのことを すごくよく覚えているのが おわかりでしょう。

観衆:(笑)

でも 気まずい思いをしたのは どっちでしょう? 私か先生か? 先生は 気づいたはずです チーム作りのために行った自分の行為が 6歳児を公開処刑する 羽目になったとね 笑える要素なしにです テレビで誰かが こき下ろされるのを見ますよね それは愉快です その日の出来事に 愉快な要素は皆無でした。

それが私の一面をなしており そして私は死んでも 同じ目には2度と遭いたくない — 2度と公けの場で 拒絶されたくない と思いました それが一面です 8年ほど早送りしましょう ビル・ゲイツが 私の住んでいた北京にやってきて スピーチをしました 私はゲイツのメッセージを聞き この人物に惚れ込みました 私は やったね 夢ができたと思いました その夜 私は家族に手紙を書いて 伝えました 「25歳までに世界一大きな会社を作って マイクロソフト社を買収する」と。

観衆:(笑)

世界征服という考えに 私は取り憑かれました 作り話じゃなく 実際に手紙も書きました これがその手紙です。

観衆:(笑)

全部読まなくてもいいですよ。

観衆:(笑)

ひどい字だし キーワードをマークしたので わかっていただけるかと思います。

観衆:(笑)

だから — それが 私のもう1つの面です 世界征服を企てる者です。

それから 2年後 アメリカに来る機会が与えられて 私はそれに飛びつきました だってそこは ビル・ゲイツの住む国ですからね。

観衆:(笑)

私はそれを自分の起業家人生の 始まりだと思っていました それから さらに14年早送りして 私は30歳になっていました 私は そんな会社を 築き上げてはおらず 起業すらしていませんでした 実際には マーケティング・マネージャーとして フォーチュン500企業で働いていました 私は行き詰まりを感じ どんよりしていました 何故でしょう? 14歳で この手紙を書いた人物は どこへ行ってしまったのか? やってみようとしなかった からではありません 新しいアイデアが浮かぶたび — 新しいことをやってみたいと思たびに また職場においても 提案がしたいと思ったとき グループの人たちの前で 発言したいと思ったとき 常に葛藤を感じていました 14歳の私と 6歳の私との間の葛藤です 1人の私が 世界征服を望み 世界を変えたいと考え もう1人の私が 拒絶に恐れをなすのです そして その度に6歳の私が勝つのでした。

そして 自分の会社を始めた後も この恐怖心はついて回りました 私が自分の会社を始めたのは 30歳のときでした ビル・ゲイツになりたければ 遅かれ早かれ 始めなきゃいけません 起業したとき 投資を受けられるチャンスが めぐってきましたが 却下されました 拒絶されて 私は傷つきました あまりにも傷が大きくて 即座にやめたくなりました でも そこでこう思いました 「1回出資を断られたくらいで ビル・ゲイツは諦めようと思ったか? 成功した起業家で こんなことでやめた人がいたか? そんなはずはない」 ここで パッとひらめいたんです 自分には もっと良い会社を作れるし もっと良いチームや製品だって 作れるけれど でも 1つ確かなことがある 自分は もっと良いリーダーに なる必要がある もっと良い人間になる必要がある これ以上自分の人生を 6歳児の自分に振り回される訳にはいかない 6歳の自分に退場願わねばなりません。

そこで 私は インターネットに助言を求めました Googleは私の友達です。

観衆:(笑)

私が検索したのは 「拒絶への恐怖を克服する方法」でした ヒットしたのは 沢山の心理学の記事で 恐怖心や苦痛の原因について 書かれていました それから 沢山の脳天気で スピリチャルな記事もヒットし 「拒絶を個人的に受け取らず 乗り越えなさい」と書かれていました 言われなくたってわかります。

観衆:(笑)

でも だったら何故それほど怖いのか? それから偶然このサイトを見つけました 題して「拒絶セラピー・ドットコム」 (rejectiontherapy.com)

観衆:(笑)

「拒絶セラピー」は カナダ人起業家が発明したゲームです 彼の名はジェイソン・コームリーです 基本的なアイデアは 30日間 出かけて行って 自ら拒絶を求め 毎日 何かで拒絶されることを通じて 最終的には拒絶の痛みに対する 免疫をつけるというものです そのアイデアが気に入りました。

観衆:(笑)

「そうだ これをやってやろう 100日間拒絶される気分を 味わってみせる」 拒絶されるネタを 考え出して それから 動画ブログを作りました。

これが 私のやったことです ブログの体裁はこんな感じで 1日目・・・。

観衆:(笑)

「初対面の人から100ドル借りる」 それはこんな感じでした 階下へ行くと 体格の良い男性が デスクにいるのが見えました 警備員のようないでたちです 私は 彼に近づいて行きました 歩いていただけですが 人生で一番長い道のりでした 首元で後ろ髪が逆立ち 汗が出て 心臓がバクバクしました たどり着くと 言いました 「こんにちは 100ドル貸してもらえませんか?」

観衆:(笑)

すると彼は 見上げて「まさか」と言います 「なんでまた?」。

で 私は言いました 「ダメですか? ならいいです」 回れ右して 逃げ出しました。

観衆:(笑)

ものすごく恥ずかしかったです でも 自分の姿を動画に撮っていたので その夜 拒絶されている自分の姿を見ました 自分の恐怖感の大きさが 分かりました まるで 映画『シックス・センス』に 出てくる あの子供です 「死んだ人が見えるんだ」みたいな。

観衆:(笑)

でも それから相手の男性を見ると 別に威圧的ではありません 彼は 太めの感じが良い人でした しかも 彼は 「なんで?」って 聞いてくれたんです つまり 私に説明の機会をくれた訳です 私は 色々言えたはずなのに 説明することも 交渉することだってできたのに 何もしませんでした やったのは 逃げることだけです 「すげえ 俺の人生の縮図みたいだ」と 思いました ちょっとでも 拒絶されそうだと感じるたびに 私は 速攻で逃げていたんです で どうしたと思います? 次の日は 何が起きても もう逃げない とどまろうと決めました。

2日目 「ハンバーガーの 無料のお代わりをリクエスト」

観衆:(笑)

ハンバーガー店に行ったときのことです お昼ごはんを食べ終えると カウンターへ行ってこう言いました 「ハンバーガーの無料お代わり お願いできますか?」

観衆:(笑)

店員は 困惑して 「ハンバーガーの無料お代わりって?」

観衆:(笑)

「ドリンクお代わり無料の ハンバーガー版みたいなやつです」と言うと 店員は 「すいませんが バーガーの無料お代わりはやっていません」

観衆:(笑)

拒絶されて いつもなら逃げ出す場面ですが 私はとどまりました そして言いました 「ここのバーガー大好きだし お店も大好きだけど ハンバーガーに無料お代わりがあったら もっと好きになるんだけど」

観衆:(笑)

すると店員が言いました 「では店長に伝えておきます 実現されるかもしれませんが 今日はお出しできません」 で 私はそこを立ち去りました ちなみに ハンバーガーの無料お代わりが 実現したとは思いません。

観衆:(笑)

お店は元のままでしょう でも 私が 最初に感じた 生きるか死ぬかみたいな危機感は もうありませんでした そこにとどまって話し続け 逃げるのをやめただけで です 私は思いました「おおすごい もう教訓が得られた いいね」と。

そして3日目 「オリンピックのドーナツを買う」 ここで 私の人生が ひっくり返りました クリスピー・クリームのお店に行きました ドーナツ屋さんで 主に アメリカの南東部にある チェーン店です ここにも 何店舗かあるはずです お店に入って 言いました「五輪マークの形をした ドーナツが欲しいんですが つまり 5つのドーナツを つなげたやつです・・・」 そんなの取り合うわけない と思うでしょ? ところが そのドーナツ屋さんは 真剣に受け止めたんです。

観衆:(笑)

紙を取り出して 色と輪っかを書き出し 「どうしたらこれを 作れるかしら?」と そして 15分後 五輪の形をしたドーナツの箱を 持って出てきたんです 私はとても感動しました にわかには信じられませんでした このときの動画はユーチューブで 500万回以上見られました 世界中のみんなも信じられなかったんです。

観衆:(笑)

これがきっかけで 私は新聞に載り トークショーなんかにも出演して 有名になりました 沢山の人から メールをもらうようになりました 「素晴らしい活動ですね」と でも 名声にも悪名にも 私は関心がありません 私が心から望んでいたのは 学ぶこと そして 自分を変えることでした そこで 私は100日間拒絶チャレンジの 残された期間を 活動の場に — この調査プロジェクトに変更しました 自分に何を学べるか知りたかったのです。

そして 私は多くのことを学びました とても沢山の秘訣を発見しました 例えば 一旦断られても 逃げ出さなければ 「いいえ」を「はい」へと 覆せる可能性も出てきて そのための魔法の言葉は 「なんで?」だということ。

ある日 花を手に 知らない人の家へ行き ドアをノックして 言いました 「ねえ お宅の裏庭に この花を植えてもいいですか?」

観衆:(笑)

相手は 「ダメです」と言いました でも その人が行ってしまう前に 尋ねました 「あの 理由を聞かせてもらえます?」 すると 「うちには犬がいて 裏庭に何を植えても 全部掘り返してしまうので あなたのお花を無駄にしたくないんです 植えたいなら この通りの向こうの コニーに聞いてみたら 彼女は花が大好きですから」 言われた通りにしました 通りを渡って コニーの家をノックしました そうしたら コニーはとても喜んでくれました。

観衆:(笑)

そして30分後 コニーの裏庭に この花が植えられました 今は もっと見栄えが良いはずです。

観衆:(笑)

でも もし最初の拒絶で その場を去っていたら 多分こう思っていたでしょう この人が断ったのは 私を信用していなくて 私を変な人だと思ったからだとか 身なりのせいで 印象が悪かったからだとか 実際はそんなことはなく 私の提案が 相手の希望と マッチしなかっただけです しかも 相手は私を信頼して 紹介までしてくれました セールス用語で言うと 私は紹介を顧客に変えたんです。

それから別の時には あることを口にすることで 承諾の可能性がずっと広がると学びました 例えば ある日私はスターバックスへ行き 店長に聞きました「ねえ スターバックスの 挨拶係にしてもらえませんか?」 「スターバックスの挨拶係って 何のことですか?」 「ウォルマートの入口で 挨拶している人がいますよね? 店に入る客に『こんにちは』って 言う係の人 — 基本的に万引を防止するための 係ですけどね スターバックスの客にも ウォルマートの体験を提供したいんです」

観衆:(笑)

まあ あんまり良いアイデアか わかりませんが — というか実際 かなりひどいアイデアです で 彼は言いました 「うーん」 こんな表情で 彼はエリックっていうんですが 迷った様子で聞いていました 「どうかな」と そこで私は訊きました 「変ですかね?」 すると「確かに変だね」と でも そう言った途端 エリックの態度ががらりと変わりました まるで 猜疑心を全部 振り払ったような感じでした 「いいですよ やっても ただ変になりすぎないで」

観衆:(笑)

その後1時間 私は スターバックスの挨拶係をやりました 来店するお客さん全員に 「こんにちは」と言って クリスマスの乾杯をしたんです ちなみに みなさんの経歴がどうあれ 挨拶係はおすすめしません。

観衆:(笑)

本当に退屈な仕事でした でも その時「変ですか?」と聞いたから これが実現したのだと気づきました 私は彼が抱いていた猜疑心を 言葉にしたんです 「変ですか?」と口にしたことが 私は変でないことを示していた — つまり 私が 挨拶係なんて変だと 彼同様に思っていた ということです そして 繰り返し私が学んだのは 相手が抱きそうな疑念を 聞かれる前に口にすれば 信頼を得られるということです 承諾してもらえる確率が上がるんです。

それからただ聞いてみるだけで 夢の実現につながることも 私は学びました 私の家は4代にわたる 教師の家系ですが 祖母はいつも言っていました 「ジャ なんでもやりたいことをしなさい だけど 先生になってくれたら 最高だけどね」

観衆:(笑)

私は起業家になりたかったので 教師にはなりませんでした でも 何かを実際に教えることは いつも私の夢でした そこで思いました 「大学で授業を教えさせてと 頼んでみたらどうだろう?」 当時オースティンに住んでいたので テキサス大学オースティン校に行き 教授たちのドアをノックして尋ねました 「あなたの授業で教えてもいいですか」 最初の2回は 良い返事はもらえませんでした でも 逃げずに続けると 3度目の正直です 教授がとても感心してくれました 「そんなこと言ってきた人間は 初めてだよ」と 私は PowerPointで 授業内容の用意をしていました 教授が言いました 「ほう これは使えるね どうかね 2ヶ月後にもう一度来たら 君をカリキュラムに組み込んでおくから」 そして2ヶ月後 私は授業で教えていました。

これが私です — 画質が悪いので分かりにくいと思いますが 時には照明に拒絶されることもあります。

観衆:(笑)

でも 授業を終えて外に出るとき 私は泣いていました なぜならこう思ったからです 「ただ聞いてみるだけで 一生の夢を叶えることができた」と 以前は 教えるためには 何か達成していなければと思っていました すごい起業家になるとか 博士号を取るとか でも 実際は ただ聞いてみるだけで 教えることができたんです。

そして皆さんには見えない あの写真で 私は キング牧師の言葉を 引用していました というのも 調査の中で気づいたことですが 本当の意味で世界を変えた人たち — 私たちの生き方や考え方を変えた人たちは 最初は一度ならず 暴力的な拒絶に遭っていました キング牧師や ガンジーや マンデラのような人たち そして イエス・キリストもそうです これらの人たちは 拒絶によって 自分の可能性を限定することなく 拒絶に対する自分の反応の仕方で 自分の道を決定していきました 拒絶に向き合ったんです。

このような偉大な人にならずとも 拒絶について学ぶことはできます 私の場合は 拒絶が 呪縛であり 恐怖の対象でした 逃げ回ることで ずっと拒絶に苛まれていました それから拒絶に向き合い始め 拒絶を 人生最大の授かりものに変えたんです 私は 拒絶をチャンスに変える方法を 人に教えはじめました ブログや 講演や 最近出した本を使い そのための技術まで開発して 拒絶への恐怖心を克服する手助けをしています。

人生で拒絶を経験したら 次に壁にぶつかり 失敗に直面したら 可能性について考えてみてください 逃げないで下さい ただ 向き合うだけで 賜物に変わるかもしれません。

ありがとうございました。

観衆:(拍手)

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このプレゼンテーションについて

ジャ・ジャンが果敢に挑むのは、私たちの多くが尻込みする領域「拒絶」です。知らない人に100ドル貸してと頼むことに始まって、果てはレストランで「ハンバーガーのお代わり無料サービス」をお願いするなど、100日間拒絶されるという挑戦を行うことで、ジャ・ジャンは、拒絶されたときに起こりがちな精神的な苦痛や恥ずかしさに対する免疫を身につけました。そしてその過程で、自分の希望をただ伝えることで、絶対に無理と思える状況に可能性の扉を開くことができると気づいたのです。

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