パークランドの高校教師からみんなへの宿題(15:47)

ダイアン・ウォルク=ロジャーズ(Diane Wolk Roger)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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私は歴史を マージョリー・ストーンマン・ ダグラス高校で教えています 2018年2月14日 私の学校で アメリカ史上でも 最悪の銃乱射事件が起きました 私たちが何を見 どう感じたのか みんな知りたがります すべてを覚えている わけではありませんが 火事場の母親的な 反応が起きたのは 覚えています 感情的にはならず 子供達を並ばせ 廊下をついて来られるよう 目印を掲げました ちょうど 火災避難訓練のように ある方向から 銃声が聞こえましたが さいわい 私たちは既に 反対方向に移動していて

外へ逃げることができました 安全な場所へと 母に電話をしました 「私は大丈夫だから」 夫に電話をしました 「私は大丈夫だから」 それから娘の電話に 声の震えが抑えられず しっかりしなきゃと思いました ひとり 思いに沈み 同僚や生徒のことが 気掛かりでした 腰を下ろした私たちに分かるのは どういうわけか バレンタインの日に— 腰を下ろした私たちに分かるのは どういうわけか バレンタインの日に 子供達が死んだということだけで これからどうしたらいいのか 分かりませんでした

あれから2ヶ月経ちましたが 今もあの「パン パン」という 銃声が耳から離れません それが訓練でないと 分かったときの 生徒達の恐怖の表情が 脳裏に焼き付いています それでも ずっと続く 感情というのはなく ただ突発的に痛みや 悲しみや 怒りが起きるだけです ニュースや 無神経なコメントや あるいは沈黙に対して

マージョリー・ストーンマン・ ダグラス高校では あの恐ろしい日に 17人の尊い命が失われました それから生徒たちが 私たち大人に 難しい質問をしました 「理不尽な暴力をどうすれば 止められるのでしょう?」 これは私がかつて聞かれた 一番難しい質問でした でも 生徒の質問に謙虚な気持ちにさせられたのは それが初めてではありません

私は公立校で 33年間教えてきました だから知っていることを 教える前に 知らないことを認めなければ いけないのを知っています 生徒として 教師として 市民として 積極的に関わるための 方法があります 第1に 質問をしている人に よく耳を傾けること 第2に 自分の弱さを認め 知らないことを認めること 第3に 自分の宿題をすること 第4に 自分の知識を 謙虚に伝えること

このプロセスについては よく知っています 私の生徒はいつも とても考え深い質問をしてきます 学ぶことに熱心で また 自分ができることを 示そうとすることもあります 私が答えを知らないときには 生徒にもそれが分かるものです だから そういう時は 言うことにしています 「いい質問ね  調べてきて 今度答えます」

だから生徒達が 「理不尽な暴力をどうすれば 止められるのでしょう?」と聞いたとき 私は話をよく聞き そして認めました 「わからない」と 聞かれたことの答えを知らないときに いつもするように 私は自分の宿題を やり始めました 歴史の教師として 憲法修正第2条と 全米ライフル協会から 始めるべきなのは分かっていました

歴史を習ったのは 随分昔のことかもしれないので 憲法修正第2条の おさらいをしておきましょう 「規律ある民兵は 自由な国家の安全保障にとって 必要であるから 国民が武器を 保持する権利は 侵してはならない」 つまり 連邦政府は 市民が規律ある民兵組織に 参加する権利を侵せないということです 憲法修正第2条が成立したのは 226年前のことです 連邦政府軍が 世界有数の軍隊になる前の話で 国家を守るために 民兵は不可欠と見られていました

それから80年後の1871年 南北戦争は数年前に 終結していましたが 戦場で射撃のお粗末さを 目の当たりにしていた人々が 将来の紛争に備え 射撃練習を奨励するため 全米ライフル協会を 設立しました

つまり 憲法修正第2条は できたばかりの 不安定な国家が 民兵組織を使えるように するためのものであり また 全米ライフル協会の元々の目的は 将来の 兵士に射撃ができるようにするためだったのです

それから150年の間の アメリカにおける 銃規制の議論や 修正第2条の 解釈の変遷だけで 丸々1期 教えられることでしょう アメリカの歴史における 重要な出来事のほぼすべてが 銃について我々が いかにそれを作り 議論し 規制し 感じるかに対し 影響を及ぼしました 多くの変化がありました 実際 民兵組織に関わりなく 個人が銃を保持し 「自宅における」自己防衛のような 伝統的に合法的とされる目的で 使用する権利が 修正第2条により守られると 最高裁が初めて認めたのは 2008年のことです 「自宅における」です

この長い間の変化には 打たれます 修正第2条の解釈や 銃に対する文化的な態度が 長い間に変わった ということだからです 再び変わる可能性があると 希望が持てます

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これはものすごく複雑で ダイナミックな歴史の教訓ですが 今日 皆さんにそのお話を しようとは思いません 時間がないからです この場での時間がない— ということではありません 私たちには無駄にできる時間が ないということです 米国疾病管理予防センターよると この5年間に アメリカでは毎日平均96人が 銃によって死んでいます 私の生徒の質問への答えを 早く見付けないと— 次は私たちの誰か かもしれません

「理不尽な暴力をどうすれば止められるか」 という質問に答えるための 私の思う一番良い方法は 選択問題です 学校で選択問題をやったのを 覚えているでしょう では始めましょう

[選択肢A] 致命的な製品に対する責任を 銃器製造業者に負わせれば この問題は終わらせられる 驚くかもしれませんが これについては検討されたことがありました 1998年から2000年にかけて 30の郡や市が 製品をもっと安全にし 販売された製品の追跡を もっと適切に行うべきだとして 銃器製造業者を訴えました それに対して製造業者側は その製品がどう使われるかについて 直接の責任はないと主張しました 何かまずいことが起きれば それは銃を売った店や 買った人間に 責任があるのだと この件や その他の 多くの訴訟への反応として 全米ライフル協会は 「武器の合法的商取引保護法」(PLCAA)を通すべく ロビー活動を行いました PLCAAは2005年に 超党派的な支持によって可決され それは銃の安全設計を 製造業者に委ね 銃の責任ある販売を 販売業者に委ね 銃の責任ある使用を 所有者に委ねるものです ですから私の学校で死んだ 生徒や教職員17人について これらの人々の誰にも 責任は問えないということです

別の選択肢を 見ることにしましょう 選択肢B 3億丁と推定されるアメリカにある銃に対し 我々自身が責任を持ち 規制するなら この問題を終わらせることができる 投票こそ 銃による暴力に対し 責任を持つ最善の方法です 銃について常識的な改革を 議員にしてもらうことが 3億丁の銃を適切に管理するために 最も効果的でしょう 銃の保有者自身も率先して 行動することができます 銃を持っているなら 自問してほしいのです 必要のない余計な銃を 持ってはいないか? それが悪人の手に 渡ったりはしないか? 自分は銃の教習を ちゃんと受けているか? あるいはまた 銃の保有者として 自身の心の健康が大丈夫か 問うべきかもしれません 銃による暴力ということでは 皆が自分の心の弱さを 認めないなら 心の健康の議論はできません アメリカ人の6人に1人は 心の問題を抱えています 銃を持つのであれば 感情的な健康状態を良好に保つことに 真剣に取り組むべきでしょう 病んでいる時に 引き金を引くことが ないように そうでなければ 銃を持つための時間や注意力が自分にあるか 真剣に自問すべきでしょう あるいは私たちのある者には 武器を置くべき時 なのかもしれません

次に選択肢Cです 私たちが互いのことをよく気にかけるなら この問題を終わらせることができる 様々な社会的問題が 人が銃を買ったり 使ったりする理由に影響します アメリカで2012年から 2016年の間に 銃で死んだ人の62%は 自殺だったというのに 私たちは 狂人だとか 精神病者などと言い 辱めています 助けを必要とする人々に対して 壁を作っているのです どうしてお互いに恥を かかせ合っているのでしょう? 人々が心のケアを受けるのを 難しくではなく 簡単にしましょう 他に何があるでしょう 性差別 人種差別 貧困も 銃保有や銃による死亡に影響します 2010年から2014年の間に 毎月平均50人の女性が 家庭内暴力で 銃による致命傷を受け 自分の家で 死んでいるのです 女性に力を与え 子供達が 衝突や感情的問題を 武器ではなく言葉で解決する方法を 学べるようにしましょう ワシントンポスト紙によると 去年 千人近くの人が 勤務中の警官によって 致命傷を負わされています ブラック・ライヴズ・マターや 警官の組合と話をしてください この問題に取り組む 必要があります

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結局のところ みんなが同じように 安全で健康で尊敬され 気にかけられていると感じるなら 誰も銃を買ったり 使ったりする必要は 感じないのかもしれません

討論の時間は終わりです 質問に答えを出す時です 「どうすれば理不尽な暴力を なくすことができるのか?」 選択肢Aか? [製造業者に責任] 選択肢Bか? [我々自身に責任] 選択肢Cか? [互いを気にかける] みんなの思っていることが わかります 選択問題は 通常3つの選択肢だけ ということがないのを 覚えているでしょう 常に第4の選択肢があります [選択肢D] 上記のすべて それが答えなのかもしれません あるいは「上記のすべて」というのは簡単すぎ これは簡単な問題ではないのかもしれません 私たち全員の深い 分析的思考が必要です ですから 皆さんの宿題にしましょう 自分の選択肢Dを その詳細な理由付けとともに 書いてください どこから手を付ければいいか分からなければ 私の生徒達をお手本にしてください 彼らは素晴らしいコミュニケーションスキルと 市民としての意識を持っていて 私はとても刺激されています

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銃規制の問題に取り組む 公立校の生徒達がおり その必死な姿には 心を打たれます 本当はあの子達が自分でしなきゃ いけないことではないんです あの子達が 私たちみんなに 加わるよう呼びかけています これは見物するものでは ないんです

では 正解は何でしょう? 分かりません 私は銃規制の 専門家でも何でもありません 私は人文科学を教えています 人間たることは 学ぶべきことであり 文明に属するというのは 自分の知識を共有するということです このような誠実で 勇気ある心から関与が 私が生徒に求め 教師として自分自身に期待し 今 皆さんに お願いしていることなのです 皆さん全員が 宿題をする必要があります それからどうするか? 謙虚に自分の知識を 分け与えてください どうか家族に伝え 地域の人々や 市議会や 州議会に 伝えてください 連邦議会に 教えてあげてください

ありがとうございました

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どうもありがとう

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このプレゼンテーションについて

ダイアン・ウォルク=ロジャーズは、2018年のバレンタインの日に恐ろしい銃乱射事件が起きたフロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で歴史を教えています。あのような理不尽な暴力は、どうすれば終わらせることができるのでしょう? この強く心に訴える講演で、ウォルク=ロジャーズは、アメリカが銃についての安全と責任という面で前進するための3つの方法をを提示し、みんなにも自分の答えを考えるように勧めます。そして何よりも、彼女の学校の活動家であり、事件の生存者であり、その活動によって何百万という人々を行動へと動かしている生徒達に見習うようにと。ウォルク=ロジャーズは言います。「本当はあの子達が自分でしなきゃいけないことではないんです。あの子達が私たちみんなに加わるよう呼びかけています」

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