イスラエルとイランの愛の物語(?)(14:57)

ロニー・エドリー(Ronny Edry)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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2012年3月14日 フェイスブックに このポスターを投稿しました 写っているのは私と イスラエル国旗を握った私の娘です なぜこのポスターを投稿したのか 背景を説明したいと思います。

数日前 食料品店での行列に 座って並んでいたとき 店主とお客さんの一人が 喋っていました そして店主はお客さんに 1万本のミサイルがイスラエルに 飛んでくると説明していました それに対して お客さんは 「違う 1日1万本だよ」と言うんです (笑)

1万本のミサイルという言葉が イスラエルの現状を象徴しています イランとの戦争危機は もう10年になり 怖がる人たちも当然います 毎年がイランとの交戦を回避する 最後の機会のように思えます 今行動しないと永遠に手遅れになると言って かれこれもう10年です。

いつかは行動する必要があるので グラフィックデザイナーの私は ポスターを作り 先ほど見せたポスターを投稿しました ポスターを作るとたいてい フェイスブックに投稿して 友だちの反応を見ますが たいていは無視して シェアも 何もしてくれません そんな毎日です なので眠りにつきました 私にとってはこれだけのことでした 私は日々 夜遅くに起きるという 生活を送っています いつも通り起きて フェイスブックを見ると 過去最多のお知らせが待っていたのです (笑) どうしたんだ?と思って 中身を見渡してみると たくさんの人が私に話し掛けていました その多くは全く知らない人で イラン人からの投稿もありました 何事?って感じですよね なぜならイスラエルでは イラン出身の人とは喋ることなく 普通 知り合いはいないんです フェイスブックの友達というのは 近所の人たちがほとんどです しかし今回は イラン人が話し掛けてきます。

というわけで私はこの女の子に 返事を書くことにしたんです ポスターを見た彼女は 家族を呼んでポスターを見せました パソコンは家に1台でした 家族みんなでポスターを見た後 リビングに座り込んで泣いたそうです。

驚いた私は 妻を呼んで この話を見せました 家族が泣いているという話を読むと 妻も泣き始めました みんな泣いてしまったのです(笑)

何をすべきか分からず グラフィックデザイナーとして 私が反射的に取った最初の行動は この話をみんなに共有することです そしてみんなも共有し始めたのです 翌日には とても大きな話題になりました すると妻が自分のポスターも 欲しいと言うのです これが妻です(笑) あなたが成功したんだから 今度は私を入れてって(笑)

少し真面目に言うと このポスターは効き目があるから 私だけではなく 意見を述べたい イスラエルの人々が使えると思いました だから知り合いで 賛同する人を みんな ポスターに入れて共有しようと思いました。

だから近所や友人 私の生徒を訪ねて 写真をくれたら ポスターを作るよ と話して回ったんです このようにして始めました すると突然 フェイスブックの人たち― 友達も そうでない人も 自分が関与できると分かったんです 一人の男だけでなく みんなでポスターが作れると分かり 彼らは写真を送って頼んできました 「私をポスターにして 投稿してほしい そしてイラン人に伝えてほしい イスラエルの私たちは愛してるよって」 そしてとても大げさになりました つまり 写真があまりに多いため 友人たちに来てもらい― 多くはグラフィックデザイナー仲間です― 一緒にポスター作りをしました 大量の写真があったので うちのリビングは数日間 こんな感じでした。

イスラエル人のポスターや 写真を受け取る一方で たくさんのコメントやメッセージを イランからいただきました そしてこれらのメッセージを元に ポスターを作りました 人は文章は読みませんが 画像は見るものです 画像のメッセージは読むかもしれません。

これらはほんの一例です (初めてのイスラエルの友)

(バカな政治家は いなくなればいいのに)

(青い星の旗 好きよ) このメッセージはとても感動的です 送信者はイランで育った少女ですが 毎朝学校に入る際に イスラエル国旗を踏ませられていました そして今回 私たちが送った ポスターを目にして 心が変わったと彼女は言いました そして彼女は今 青い星の旗― イスラエル国旗が好きなんです さらに彼女は 私たちと 会えることを願っていました 最初のポスターを投稿してから ほんの数日後のことでした。

それ以降 イラン人たちは 彼ら自身のポスターで返事をし始めました グラフィックデザイナーが 向こうにもいたんです!(笑) やばいですね(笑) 顔は見せたがりませんが それでもメッセージを伝えたいんです 顔は見せたがりませんが それでもメッセージを伝えたいんです 返事をして 同じことを言いたいのです これはもうコミュニケーションです イスラエル人とイラン人が お互いに同じメッセージを送る 双方向のストーリーなんです。

(あなたは敵ではない 戦争なんて嫌だ)

これは前例のないことです 戦争の一歩手前にいる状況で 従来なら敵同士の私たちが 突然フェイスブックを通して言うんです 「こいつ好きだよ あんたたちを愛してる」 この話はどんどん盛り上がり そしてニュースにもなりました 中東では悪いニュースしか 報道されません しかし突然湧いた いい知らせは メディアの注目を浴びたのです 「これはネタになる」って そして色々な場所でニュースになりました。

ある日 妻のミハルがジャーナリストと喋り 質問をしていたことを覚えています 「こんなもの誰が見るの?」 「みんな見るさ」

「みんなってパレスチナの? それともどこ?イスラエル?誰のこと?」 「みんなはみんなさ」

「シリアは?」 「シリアも」

「レバノンは?」 「レバノンも」 こんな会話が続き ジャーナリストは 「今日4千万人が見るんだ つまり みんなさ」 これは中国語版です これは物語の単なるスタート地点でした。

他にもすごいことが起こりました ドイツ アメリカ その他の国々で この話題を取り上げるたびに 新たなフェイスブック・ページができ 同じロゴと物語が共有されます まず最初は テヘランにいる イラン人からのメッセージ 「イランはイスラエルを愛してる ではイスラエルはイランを愛してる? イスラエルへの愛を捧げます」 パレスチナからの愛もあります レバノンからの愛も数日前にありました ここに並んでいるフェイスブック・ページは 全て同じメッセージを掲げています それは人々がお互いに 愛を捧げるというメッセージです。

実はこの時 すごいことが起きていました ある友だちが言ってきました 「『イスラエル』って検索してみてよ」 当時「イスラエル」か「イラン」で検索すると これらの画像がグーグルで 最初にヒットしたんです これらの画像がグーグルで 最初にヒットしたんです 人々の中東に対する見方を 私たちは変えることに成功しました つまり普段は 中東について知ろうとして 「イスラエル」と検索しても 悪い事ばかりヒットします 「イスラエル」と検索しても 悪い事ばかりヒットします しかし数日間だけ 素敵な画像がでました 「イスラエルはイランを愛する」ページは 今では 80,831人がいいね!と言い 先週は二百万人がページを訪れ シェアしたり いいね!と言ったり 写真にコメントをくれました。

こんな感じで もう5か月の間 私とミハルと友達で画像を作っています 単に画像を作るだけですが 私たちは新しい現実を見せています なぜなら それが世界の見方だからです 中東のイメージは悪いものばかりでした だから私たちは 良いイメージを 作ろうと取り組む・・ただそれだけです。

これを見てください 「イランはイスラエルを愛する」ページです これは私が作ったものではありません 作ったのはテヘランに住む男性で 戦死したイスラエル兵の追悼日に イスラエル兵の画像を載せたんです 従来なら敵ですよ どういうことでしょう?

(深くお悔やみ申し上げます)

イスラエル側も負けていません 私たちはお互いに 敬意を表しています お互いに理解し 思いやりを示しています そして友達となるのです 時には フェイスブックの友達になったり 私生活での友達にもなります 外に出て会うこともできます 私は数週間前 ミュンヘンにいました イランに関する展示会を 開催するために行きましたが フェイスブック・ページの人たちと出会いました 「ヨーロッパにいるんだね なら行くよ」 フランス オランダ ドイツから もちろんイスラエルからも集まり 私たちは実際に初めて出会いました 従来なら敵同士の私たちが 初めて会いました そして握手をして コーヒーを飲み 食べ物やバスケの話をして 素敵な会話を楽しみました それだけのことです 一番最初の画像を覚えていますか? ある日 ポスターを描いた二人が 現実世界で会って友達となるんです。

逆のパターンもありえます フェイスブックで会った少女は イランで生まれ育ち ドイツに住んでいます イスラエルを訪れたことはなく イスラエル人を恐れています それが彼女にとっての現実だからです 数か月間インターネットで イスラエル人と会話をした後 彼女はイスラエルに来る決心をしました 飛行機に乗って ベングリオン空港に到着すると 「なるほど たいしたことないものね」 と言いました。

数週間前 緊迫状態が増しました なので新しい運動を始めました 「この戦争で死にたくない」運動です 伝えたい内容はそれ程変わりませんが 今回は少し積極性を 加えようと思いました また素晴らしいことが起こりました 前回の運動ではなかったことです 最初のポスターでは 足や横顔だけしか見せず 素顔を露わにしなかった イラン人たちが 正面を向いて語りだしました 「問題ない 私たちも賛同するよ お互いに味方同士だから」 どこの人たちか みてください イスラエル人とイラン人が 交互に写っています みんな ただ写真を送ってくるんです クレイジーでしょ?

では・・ (拍手)

皆さん疑問でしょう この男は誰なんだって? って。

私はロニー・エドリーと言います 41歳のイスラエル人です 二人の父親であり 夫でもあります 私はグラフィックデザイナーで 学校で教えています 私はそんなに純真ではありません よくお願いされますが 私の反応は 「うん いや だけどね これはきれい事だよ 花束を送るような・・」

私はかつて陸軍に所属し 3年間は空挺旅団の配属でした そのため 地上からの景観が分かります どれだけ酷く見えるかが分かるんです 私にとって これは勇気の必要なことで 手遅れになる前に 反対側に到達しようとしました 手遅れになったら本当におしまいです 時には戦争は避けられません しかし努力すれば 回避できるかもしれません みんなで協力すれば可能かもしれません 特にイスラエルは民主主義で 発言の自由があります こういった小さなことで何かを 変えられるかもしれません 自分自身が大使として 発言できるんです ただメッセージを送って 幸運を祈ることもできます。

妻のミハルに舞台に上がってもらい 皆さんと一緒に画像を 1つ作りましょう 画像がすべてなんです もしかしたら この画像が役に立ち 何かを変えられるかもしれません このハートを掲げてください 私は今から写真を撮って それをフェイスブックに投稿します タイトルはそうですね・・ 『平和を愛するイスラエル人』

なんて素晴らしいんでしょう 泣かないで。

ありがとうございました (拍手)

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このプレゼンテーションについて

イスラエルとイランの戦争が緊迫状態にある中、イスラエル人グラフィックデザイナーのロニー・エドリーは自分と娘が写ったポスター『イラン人の皆さん・・私たちはあなた方を愛しています』をフェイスブックでシェアします。他のイスラエル人もすぐに自分のポスターを同じメッセージで作ると、イラン人も同じやり方で返事をしてきたのです。

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