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慢性疾患患者のためのパーソナルヘルスコーチ(07:41)

「人々を健康的な生活習慣へ変えさせる支援の手段は豊富にありますが、それらは医療サービスが整っていない地域では大抵アクセスできません。」と内科医のプリシラ・ぺムは言います。「culturally congruent coaching (文化に適合したコーチング)」と入力してみてください。これは、地域のコーチから支援を受けながら、慢性疾患の患者が自分の健康状態を経過観察するために、ぺムのチームが開発したプログラムです。このアプローチがいかに言語的、文化的障壁を乗り越え、アメリカの健康管理の可能性を変える可能性があるか詳しい話を聞いてください。

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私がナイジェリアのベニン市で 医師になりたての頃 30年数年前 人々が充実した人生を送れるように 支援するつもりでいました けれど しばしば 無力感を感じました 駆け出しの医師として 技術は身につけていましたが 慢性疾患の患者さんは治せませんでした 例えば 心臓病や喘息や糖尿病などの 持病のある方には 診察室で薬を出すだけでは済まず 悲嘆カウンセリングまで 提供しなければ不十分でした それから早15年 私はジョージア州アトランタにいます 場所は違えど またも同じことの繰り返しでした 医師として 慢性疾患の患者と 過ごせる時間はほんのいっときで

次の診察までの間に 患者さんは自分で決めないといけない 沢山のことを学ばないといけません 例えば 薬を毎日飲むことを 前提とした治療法なら 具合の悪い時どうしますか? それでも薬を飲むべきですか? 合併症や副作用が起きたことを知るには? その処置の仕方は? その上 慢性疾患につきものの孤独や不安にも

対処しなければなりません アメリカだけでも 10人中6人の成人は慢性疾患を抱えています その数は1億2千5百万人に上ります ロバート・ウッド・ジョンソン財団の 最近の報告によると 健康状態の50%は 日常の生活習慣の結果であり 一方 治療の効果はたった20%なのです おまけに 疾病対策センターによると 喫煙や運動不足や栄養不足を 改善できたなら 心疾患の80% Ⅱ型糖尿病の80% 癌の40%を予防できると言います でも ご存知のように 生活習慣を変えるのは とても難しいのです

だから 考えてみたのです 生活習慣に変える意欲を高める― 手助けを提供できないか 実は いわゆる自己管理技術の 習得を支援する情報が 世の中には沢山あります しかし 多くの場合アクセスしづらく 使いにくいものです 特に マイノリティで 医療サービスが不十分な地域の人は 言語や文化などの壁に加えて 偏見にも直面し 健康保険の適応も不十分です

だから この12年間で 私はモアハウス大学医学部の同僚たちと ネットアプリを開発して 慢性疾患の管理を支援することにしました これはウェブ上のアプリとして 無料で入手できます 血圧や血糖値などの 様々な数値を記録していけます そして 色分けで区分した レポートが表示されます 緑は健康的な範囲で 赤は何らかの対処が必要な 問題ある数値を指しています これらのデータは カリキュラムにリンクされています どんな慢性疾患であっても 自分の健康状態を知ることのできる カリキュラムです ヘルスコーチにも加わってもらい 自己管理の技術や 慢性疾患からの合併症予防に役立つ 技術を指導します

そのコーチの成功には 患者さんとの 信頼が欠かせません 私たちは このアプリを ヘルスコーチが 医療助手をしているクリニックや 保健省がボランティアの ヘルスコーチを派遣している 大都会の教会で試しました 1年後 参加者の3分の1が 3つの新たな自己管理技術を習得でき 血圧や血糖ある程度まで改善し 運動習慣を獲得して それを維持できました

私たちにとって 簡単でありながら魅力的なのは 教会のグループの方が 治療に専念したグループよりも 良かったことでした そうなると その理由を知りたいですね だから もう少し研究を進めました 400時間の会話記録の研究です そこから分かったのは 教会から来たコーチの方が 患者さんと接する時間が長く その家族にも会って 患者さんのニーズを把握してから 実際の支援を行っていたのです 私のチームは これを 「行動様式に適合したコーチング」と呼びます

行動様式に合わせたコーチングの 概念を説明するために ある患者さんのことをお話しします バーサさんという患者です バーサさんは糖尿病と高血圧がある 83歳の女性で 教会ヘルスコーチのアンが担当でした アンはたまたまバーサさんの家族と 長年の友人で 教会仲間でした アンは数回の訪問すると バーサさんがきちんとデータを 記録しているにもかかわらず 数字が全て赤のままなのが気になりました そこで アンはバーサさんの身に 何が起きているのか理解するため 徹底的に調べ バーサさんは秘密を明かしてくれました

(笑)

薬を飲むと 変な気分がする時があるので 処方どおりに内服してないらしいのです 薬のせいだと感じても バーサさんは 医師にそう言えませんでした さらにいくつかの理由で 診察をサボっていました 治療がうまくいかないことで 医師を怒らせたくないことが その理由の1つでした

アンはバーサさんに 次回は娘さんと一緒に 来るように言いました 次の時 アンはバーサさんが記録していた全データを 印刷したものを渡して 医師に診察を受ける際 持って行くよう母子に勧めました そのとおりにすると その情報をもとに バーサさんの主治医が 治療法を変更できたのです それから3か月以内に バーサさんの数値は全て緑になりました 誰よりもバーサさんが一番喜んでいました

そう アンはヘルスコーチとして 役目を果たしたのです アンは隠れている部分を気にかけ バーサさんの行動様式を 深く徹底的に調べた結果 そのレベルに たどり着けたのです アンは必要な情報を 得るための聞き方も 適切な質問のやり方も 心得ていたのです みんな 深い部分で 無意識の法則を持っています それが 健康に関わる決断を 左右します これが私たちの行動様式です アンとバーサさんとの関係や会話が 描き出しているのは 私たちが患者さんたちや友人たちや 近所の人たちと 行動様式の深層にかかわる会話ができたとき どんなことが可能になるかです 個人的にすごくワクワクしているのは この行動様式に適合したコーチングという シンプルな概念が 1億2千5百万人のアメリカ人と 世界中の慢性疾患を抱える多くの人の 生き方を変えるかもしれないからです

ありがとうございました

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