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ドクターズゲートの配信する医療ニュースについて
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  •  国立がん研究センターは2日、子宮頸がんが、多くの先進国で減少しているのに、日本では増えているとの報告書を公表する。原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンの接種と検診の推進を国などに求めている。

     国内では2019年に約1万1000人が子宮頸がんと診断された。30代後半から50代前半の患者の発生率は、人口10万人あたり27人前後で、00年の18人前後から大幅に増えた。一方、米国やカナダ、韓国など先進諸国は減少傾向にある。

     報告書では、課題として、HPVワクチンの接種率や検診受診率の低迷を挙げている。日本では、13年度から小学6年~高校1年生相当の女性を対象に公費接種となったが、接種後の痛みなどの訴えが相次いだため、21年度まで国が積極的な勧奨を控えた経緯がある。今年度導入された新ワクチンが普及すれば、子宮頸がんの90%以上の予防が期待できるとしている。未接種の人らは検診が必須とした。
  •  慶応大などの研究チームは、全身の筋肉が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者に、パーキンソン病の薬を投与する最終段階の治験を来年にも始めることを明らかにした。少人数を対象にした初期の治験では、病気の進行を遅らせる効果を確認済みだという。研究成果をまとめた論文が2日、米科学誌セル・ステムセルに掲載される。

     治療薬の候補は、パーキンソン病の治療薬として使われている「ロピニロール」。チームは、ALS患者の血液からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り、神経細胞に変化させた。1232種類の既存薬を試したところ、ロピニロールに治療効果が期待できることがわかった。

     軽症患者約20人を対象に2018年から始めた初期の治験では、1年間服用した患者は、最初の半年は偽薬、その後の半年は薬を服用した患者に比べて、重症になるまでの期間が約6か月半延びた。国際的な症例データベースを使い、ロピニロールを服用していない患者176人と比べても、1年間服用した患者の方が病気の進行が遅かった。

     チームによると、iPS細胞で新たな薬を見つける「iPS創薬」は、実現すれば世界初。岡野栄之・同大教授(生理学)は「世界中の患者が使えるよう早期の承認を目指す」と話す。

      ALSに詳しい東邦大の狩野修教授(脳神経内科)の話 「次の治験で効果を最終的に検証する必要があるが、既存の薬を活用し、安全性が確認できたという点で評価できる」

      ◆筋萎縮性側索硬化症= 筋肉を動かす神経細胞が徐々に失われ、筋肉が動かなくなる難病。国内の患者数は約1万人。進行を遅らせる薬はあるが効果は限定的で、根本的な治療法はない。
  •  マイナンバーカードと一体化した保険証(マイナ保険証)について、全国保険医団体連合会は29日、マイナ保険証を使える医療機関の6割でシステム上のトラブルを経験したとする調査結果を発表した。別人の医療情報がひもづけられたミスも、少なくとも37件確認されたとしている。

     調査は、同日までに集まった24都府県で開業する医師や歯科医2874人の回答を分析した。システムを導入していた2385人のうち1429人(60%)が、本人の資格確認を巡るトラブルがあった、と回答した。本来は有効なのに、システムでは「無効」と判定されたケースが多かった。

     一方、別人の医療情報がひもづけられたケースは10都府県で37件、確認された。本人の情報のほか、氏名や生年月日が異なる別の2人の情報がシステム上で表示されたケースもあった。
  •  極めて感染力の強い「麻疹(はしか)」の国内感染者数が今月21日現在で12人(暫定値)と、昨年1年間の感染者数を上回った。訪日外国人客数の回復が感染拡大につながる恐れがあるうえ、コロナ禍の「受診控え」で予防接種を受けていない子供も多く、医師らはワクチン接種を呼びかけている。(渋谷功太郎)

     「免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症する」。加藤厚生労働相は16日の定例記者会見で、麻疹流行への警戒感を示し、感染が疑われる場合は公共交通機関の利用を控えることなどを呼びかけた。

     きっかけは、インドから帰国後の4月27日に感染が確認された茨城県在住の30歳代男性だった。男性は発熱やせきの症状が表れた後、新幹線で新神戸から東京に移動しており、同じ車両に乗っていた東京都内の男女2人の感染が後に明らかになった。さらにこの男女と接触した5歳未満の子供2人の感染も確認された。

     厚生労働省は、患者が公共の場を移動した結果、感染が広がったとみて事態を重大視。今月12日、各都道府県などに対し、保健所や医療機関に注意喚起するよう通知した。

     麻疹は2007、08年、若者を中心に国内で大流行した。しかし国が06年度から、公費で賄う定期接種を1歳時と小学校入学前の計2回に増やしたことなどが功を奏し、感染者数は激減。15年には世界保健機関(WHO)から国内に土着ウイルスが存在しない「排除状態」と認定された。

     しかし、海外との人の往来が活発になると、ウイルスの流入リスクは高まる。コロナの水際対策で昨年の感染者は6人にとどまったが、現在は対策緩和で海外客が増加しており、政府や自治体は感染流行に神経をとがらせる。さらに懸念されているのが、ワクチン接種率の低下だ。

     国立感染症研究所の21年度調査では、国民の抗体保有率は96・6%。集団免疫の獲得には接種率を95%以上に保つ必要があるが、国内の1歳時の接種率は21年度、93・5%と前年度を5ポイント下回り、12年ぶりに95%を割った。小学校入学前の接種率も93・8%(前年度比0・9ポイント減)と95%に届かなかった。

     都が今年1月に開いた対策会議では、都内自治体の担当者から「コロナの流
  •  国内の新興企業が開発を進める新技術を使った新型コロナウイルスワクチンについて、動物実験で感染を防ぐ中和抗体の量が1年間維持されたと医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪)などのチームが発表した。実用化すれば接種間隔を延ばせる可能性がある。論文が国際科学誌に掲載された。

     このワクチンは、米ファイザーや米モデルナが実用化したメッセンジャーRNAワクチンに改良を加えた「レプリコン(自己増殖型)」と呼ばれるタイプだ。

     新興企業VLPセラピューティクス・ジャパン(東京)が現在、実用化に向けて治験を実施している。新型コロナの変異株に加え、未知の感染症への対応も視野に入れている。

     レプリコンワクチンは有効成分が体内で自己増殖するため、接種量は既存のワクチンの100分の1から10分の1ほどで済み、免疫が長く続くとされる。

     チームは、人間と体の構造が似ているカニクイザルにこのワクチンを打ち、中和抗体の量が1年間、十分に保たれていることを確かめた。既存のワクチンでは数か月から半年程度で低下する。チームの山本拓也・同研究所難病・免疫ゲノム研究センター長は「年1回接種で効果があるようなワクチンにしたい」と話す。

     杉浦 亙・国立国際医療研究センター臨床研究センター長(ウイルス学)の話「中和抗体の量が長期間持続することをデータで示せた意義は大きい。安全性を丁寧に確かめ、未知の感染症に対応できるワクチン開発の基盤技術として育てることが重要だ」
  •  新型コロナウイルスの感染状況について、厚生労働省は26日、全国約5000か所の定点医療機関から、15~21日の1週間に報告された感染者数が1医療機関あたり3・56人だったと発表した。前週(8~14日)の2・63人と比べ1・35倍となり、厚労省は「緩やかな増加傾向が続いている」としている。

     都道府県別では、沖縄が1医療機関あたり10・80人で最も多く、石川が6・38人、岩手が6・32人、新潟が6・11人で続いた。42都道府県で前週より増加した。報告された感染者数の合計は1万7489人だった。

     谷口清州・国立病院機構三重病院長(感染症疫学)は「5類移行に伴って医療機関を受診しない人などが増えていることも考慮すると感染者は確実に増えている。都道府県ごとの数値に注目し、地域の感染対策に役立ててほしい」と話す。

     このほか、厚労省は全国の医療機関から報告された入院患者の総数は24日午前0時時点で、前週比1110人増の5622人、うち重症者数は41人増の138人だったと発表した。
  •  【瀋陽=川瀬大介、北京=大原一郎】中国で新型コロナウイルス感染が再拡大している。専門家は6月末にピークを迎え、1週間当たりの新規感染者は6500万人に達するとの見方を示す。中国政府は4月末に全国の感染状況に関する統計発表をやめたため実態は不明で、住民から不安の声が上がっている。

     中国メディアの羊城晩報(電子版)は22日、感染症対策の第一人者として知られる鍾南山氏が、1週間当たりの新規感染者が5月末に4000万人、6月末には6500万人に達するとの予測を示したと伝えた。

     北京市の衛生当局が18日に発表した統計によると、今月8~14日に確認された感染症全体の患者数は1万8081人で、前週から7573人増えた。最も多いのはコロナ患者だった。

      習近平政権は昨年12月、厳しい移動制限を伴う「ゼロコロナ」政策を急転換し、全国で爆発的に感染が広がった。中国疾病予防コントロールセンターは、2月上旬までに全人口の82・4%が感染したと推計しており、その時に感染した人の抗体が減ったことが今回の再拡大の要因との見方がある。

     習政権はゼロコロナで深刻なダメージを受けた経済対策を最優先する構えで、同センターは4月29日を最後に1週間ごとの全国の感染状況の統計を発表していない。

     北京市中心部の病院では23日、発熱外来を訪れた患者が列を作り、防護服姿の職員らが対応に追われる様子が見られた。中国メディアは、上海や広東省広州でも発熱患者が増え、ある病院では受診まで3時間かかる状況と伝えており、SNSには「周囲は再感染した人ばかり。怖い」と不安視する投稿が増えている。

     中国メディアは、専門家の「再感染者の多くは症状が軽い。過度の心配は必要なく、経済や生活に影響させるべきではない」との見方を伝え、住民の不安払拭に努めている。
  •  総務省消防庁は23日、熱中症で15~21日の1週間に全国で1763人(速報値)が救急搬送されたと発表した。5月の統計を取り始めた2015年以降の同期比では過去最多で、5月の1週間単位では過去2番目に多かった。

     岐阜県揖斐川町で17日、全国で今年初の猛暑日となる35・1度を観測するなど17~18日に各地で季節外れの暑さとなり、搬送者は前週(8~14日)の308人から急増した。
  •  マイナンバーカードと一体化した健康保険証(マイナ保険証)について、埼玉県保険医協会が会員を対象に行ったアンケート調査で、オンラインで保険資格を確認するシステムを導入した開業医の7割が「患者情報が表示されない」などのトラブルを経験していることがわかった。

     マイナ保険証は、誤って別人の情報がひもづけられるトラブルが全国で相次ぐ。これを受け、同協会は16日に開業医3426人を対象に実施。193人から回答を得た。

     オンラインで保険資格を確認するシステムの導入は、経過措置が設けられたものの、原則として今年4月から医療機関の義務となった。調査の結果、システムを運用していると回答したのは72%。うち70%でトラブルがあった。内容(複数回答)は、「患者情報が表示されない」(48人)、「受け付け時の混雑」(40人)、「システム障害」(37人)などだった。23人は「氏名などの誤った表示」を挙げ、これらは別人の情報だった疑いがある。

     政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する方針だ。だが、調査では「保険証は存続すべき」との回答が85%に上った。「取り扱い説明が不十分」「今まで通りで事足りる」などの理由が挙げられた。

     同協会は「見切り発車では現場も混乱する。安定して運用できるようになってから、健康保険証廃止の議論をすべきだ」としている。

     埼玉県美里町は19日、別人の顔写真をつけたマイナンバーカード2枚を誤って交付したと発表した。2月28日に町役場で交付を申請した町民の女性2人の顔写真が入れ替わっていた。受け付け時の確認不足が原因で、顔写真以外の個人情報は2人とも申請者のものだった。受け取った後の今月18日に町に連絡があり、ミスがわかった。

     町は2人に謝罪し、再交付の手続きを進めている。
  •  大分市は18日、市内の私立高校でインフルエンザの集団発生があり、16日までに生徒約500人の感染が確認されたと明らかにした。全校生徒約2000人の4分の1にあたる。

     同高などによると、9日に体育祭を開催後、体調不良を訴える生徒が相次ぎ、12日までに160人の感染が判明。その後も増え続け、16日までに497人となった。重症者はいないという。

     宮崎市の高校でも、16日時点で計491人のインフルエンザ患者が確認される集団感染が起きている。
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