コラム・連載

ゴルフジャーナリストが見た、プロゴルファーの知られざる素顔

「小さな奇跡」を信じて戦う意味

2021.11.15|text by 舩越園子

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米男子ツアーは早くも9月から新しいシーズンが始まっている。

その開幕第2戦、サンダーソン・ファームズ選手権で25歳の米国人、サム・バーンズが勝利し、通算2勝目を達成した。

バーンズの動きをカレンダー上に照らして見てみると、2021年が始まったとき、彼の世界ランキングは、まだ3桁の168位だった。しかし、今年だけで2勝をマークした彼は、ランキングを駆け上がり、今や世界のトップ20に数えられている。

米メディアは、そんなバーンズの急上昇ぶりを「まるでミラクルだ」と表しているが、バーンズ自身、サンダーソン・ファームズ選手権で優勝したことは「僕は、これまでも小さな奇跡をいくつか見てきたけど、今回、優勝できたことは、まさにスモール・ミラクルだ」と言った。

彼が口にした「スモール・ミラクル」という言葉には、生後わずか6週間の甥っ子の生命と健康を想う気持ちが込められていた。

歩みと成長

バーンズという選手は、日本のゴルフファンの間では、ほとんど知られておらず、昨年までは米国でも無名に近い存在だった。

ルイジアナ州で生まれ育ち、大学も地元のルイジアナ州立大学に進んだバーンズは2017年にプロ転向。2018年に下部ツアーのコーンフェリー・ツアーで1勝を挙げるなどの活躍を見せ、2019年からの米ツアー出場資格を手に入れた。

そして3年目を迎えた今年5月、バルスパー選手権で初優勝を飾り、2021-22年の新シーズンを迎えた今年10月、サンダーソン・ファームズ選手権で通算2勝目を挙げた。

「5月に初優勝して、自信が倍増したことが大きかった。この2勝目で僕の自信はさらに高まった。次のレベルへ進んでいきたい」

バーンズはそう語ったが、彼を成長させたものは、実を言えば、優勝した経験だけではなかった。

今年8月、世界選手権のフェデックス・セント・ジュード招待最終日、バーンズは3人によるサドンデス・プレーオフに絡み、勝利したのはエイブラハム・アンサーで、バーンズは松山英樹とともに2位タイになった。

あの日、72ホール目を先に終えていたバーンズは「もう荷物をまとめて帰ろうとしていたら、思わぬ展開になり、そして僕はプレーオフを戦うことになったんだ。そんなふうに、戦いには自分ではコントロールできない面がある。最後まで、何が起こるかわからない。だからこそ、逆に自分でコントロールできること、やるべきことを、常に必死にやるのみだ」

以来、バーンズはたとえ戦況がどう見えていようとも、自分の目の前の1打1打にベストを尽くそうと心に誓い、サンダーソン・ファームズ選手権でも、その姿勢を貫いた。

大会最終日を首位に1打差で迎えたバーンズは「ひたすらフェアウエイとグリーンを捉える。それが、僕がやるべきこと」と考え、「たとえ何が起ころうとも、そのゲームプランをやり通すと決めていた」。

大混戦になった最終日、バーンズは得意なはずのパットが今一つ振るわず、グリーン上では少々苦しんだ。しかし、パットの不調をショット力でカバーする見事なプレーを披露した。

72ホール目は、それまで安定していたショットが狂い、バンカーに捕まってボギーフィニッシュになったが、それでも堂々の優勝を飾り、「シーズンのグッドスタートが切れた」と満足げに語った。

親友、甥っ子、人々のために

バーンズが「勝ちたい」「上へ行きたい」と願う陰には、常に親友への想いがある。

「幼いころからずっと一緒だった僕の親友は、若年性糖尿病とともに生きている」

バーンズは、この病気のことをもっと世の中の大勢の人々に知ってもらい、治療のための研究開発を進めるための寄付を募るため、自身の財団を創設し、チャリティ・トーナメントを開くなどの活動も行なっている。

「そうやって友人の役に立つこと、同じ病気で苦しんでいる人々の役に立つことをしたい。それが、僕がゴルフで勝利を目指す意味です」

サンダーソン・ファームズ選手権で勝利を挙げたときもバーンズの胸の中には、親友への想いがあった。だが、あのときは、もう1つ、小さな命への想いを抱いていた。

「僕の甥っ子のマシューは、生後間もなく髄膜炎と診断され、大変な日々を過ごしてきた。今、生後6週間で、状態は少し落ち着きつつあることは、スモール・ミラクルだ。このミラクルは、甥っ子自身の記憶には、もちろん残らないだろうけど、姉夫婦が経験したこと、僕ら家族みんなが味わった想いは、生涯忘れない。僕のこの優勝が、甥っ子やみんなへのエールになれば、それが何より僕はうれしい」

最終日、バーンズは黄色いシャツを着てプレーしていた。イエローと言えば、かつて帝王ジャック・ニクラスが最終日に身を包んだ勝負カラーとして知られており、そのニクラスが現役引退後に全米各地に創設している小児病院、チルドレンズ・メディカル・ネットワーク・ホスピタルズを象徴するカラーでもある。

米ツアーもニクラスの小児病院へのサポートを行なっており、意を同じくする米ツアー選手たちは、その意思表示として試合でイエローのシャツを身に付けることが多い。

そんなイエロー・シャツ、イエロー・カラーの意味や効力をバーンズも知っており、親友や甥っ子を想う彼は、イエローがもたらすスモール・ミラクルを信じて、あの日、黄色いシャツに身を包み、1番ティに立った。

そして、彼は勝利を手に入れた。

「僕はこれまでも小さな奇跡をいくつか見てきたけど、今回、優勝できたことは、まさにスモール・ミラクルだ」

これからもバーンズは、小さな奇跡を信じてゴルフクラブを握り続けることだろう。彼が小さな奇跡を願う理由は、友人や家族、人々の幸せのために勝ちたい、役立ちたいという優しい想い。ただ、それだけだ。

次回は12月15日公開予定!

バックナンバー
  1. ゴルフジャーナリストが見た、
    プロゴルファーの知られざる素顔
  2. 82. 「破竹」のナップが願うこと
  3. 81. M・ホーマの「故郷への恩返し」
  4. 80. トレーラーハウスで誓ったこと
  5. 79. 命のリレー、命のショー
  6. 78. 奇跡の復活優勝、「ミーアのミラクル」
  7. 77. 「永遠の女王」A・ソレンスタム
  8. 76. L・グローバーを大きく開花させたもの
  9. 75. 大きなゴールのための小さな目標
  10. 74. 「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー
  11. 73. 「誰かのため」を最優先するホブランは、だからこそ人気急上昇中!
  12. 72. 亡き母のために「優勝して財団設立」を目指したW・クラークの勝利
  13. 71. 「脚光」と「薄幸」のビッグスター
  14. 70. 何かに苦しむ誰かのために活動する「フェアウエイの妖精」
  15. 69. 「0.006%」を潜り抜けたバックリーがもたらす幸運
  16. 68. 故郷をジュニア天国へ。S・ストーリングスの社会貢献
  17. 67. 鉄人レースに挑んだ女子プロのチャレンジ
  18. 66. 「ナイスガイだからこそ」のメジャー制覇と社会貢献
  19. 65. 個性派M・A・ヒメネスの恩返し
  20. 64. 全英女子オープン覇者がプロゴルファーである理由
  21. 63. メジャー3勝、だからこそ「感謝」と「貢献」
  22. 62. アフリカに水をもたらすゴルフ界のレジェンド
  23. 61. 一人の少年を讃えたフリートウッドの想い
  24. 60. 母国を離れて戦うC・スミスの母国愛
  25. 59. コロナ禍の犠牲者のために尽くした素晴らしき選手
  26. 58. 親友が闘病しながら創設した財団を守り続けるプロゴルファー
  27. 57. 救った子供が未来を救う、だからこそ救いたい
  28. 56. 「みんなのハッピー」を目指す女子ゴルフのスター
  29. 55. バレステロスからラームへ、スペインのヒーロー誕生物語
  30. 54. マリア・ファッシは幸せを運ぶアンバサダー
  31. 53. 「小さな奇跡」を信じて戦う意味
  32. 52. クールなP・カントレーの温かい社会貢献
  33. 51. L・トンプソン流、ユニークな社会貢献
  34. 50. 母国への想いが奇跡を起こす!?
  35. 49. 無名の48歳の「好きな言葉」「嫌いな言葉」
  36. 48. B・デシャンボーの熱くて厚い義理人情
  37. 47. 絵を描き続ける「みんなのヒーロー」
  38. 46. 助けたからこそ、助けられたゴルフ人生
  39. 45. 夢を追いかけられる社会にしたい
  40. 44. 負けても笑顔を輝かせた意味
  41. 43. 優しく強くなったR・マキロイの社会貢献
  42. 42. ファンファーレで送り出したい全英チャンプ
  43. 41. 「僕はそういう僕でありたい」ビリー・ホーシェルの感謝と恩返し
  44. 40. チャールズ・ハウエルの恩返し
  45. 39. メジャー・チャンプの恩返し
  46. 38. 「思い出づくり」と「自転車づくり」
  47. 37. 米ツアーの黒人選手の「声」の力
  48. 36. スネデカーは「超ナイスガイ」!
  49. 35. 「世界を救うため」動いたジュニアゴルファー姉妹
  50. 34. それが「私の生きる意味」
  51. 33. 「いつかは、私が」と誓った物語
  52. 32. 亡き母の名を冠したマンモバンを走らせて
  53. 31. ケビン・ナの人気が静かに高まりつつある理由
  54. 30. ゴルフ界の「子育て」と「本当の女王」
  55. 29. 苦難を乗り越えた3世代の物語
  56. 28. 光が当たらなかった場所に光を当てる
  57. 27. 世界ナンバー1の「自分流」チャリティ
  58. 26. 「手作りゴルフ場」から出発したプロゴルファーの社会貢献
  59. 25. ゴルフ金メダリストが考える手作り感覚のチャリティ活動
  60. 24. 惜しみなく与える「DJ」の物語
  61. 23. 輝く未来を抱くチャンス
  62. 22. 帝王の優しき野望
  63. 21. 「パットの名手」は「チャリティの名手」
  64. 20. 「ケビン・キスナー」の名前と存在感
  65. 19. ゴルフの世界でも「類は友を呼ぶ」
  66. 18. ライオン・ハートのジョン・デーリー
  67. 17. 往年の名選手と名キャディからの贈り物
  68. 16. 「たった4勝」でも「メジャー無冠」でも、どんどん高まるリッキー・ファウラーの人気
  69. 15. ジャロード・ライルの36年の人生が残してくれたもの
  70. 14. 苦労したからこそ、若者たちを手助けしたいと動き出したトニー・フィノウ
  71. 13. 授かった幸運を不運な人々のために役立てたいと願うジム・フューリックと妻の社会貢献
  72. 12. 選手もキャディも主役になった日
  73. 11. タイガー・ウッズの真心のチャリティ
  74. 10. 闘病しながらチャリティにも精を出し、「とてもラッキー」と言い切る強さ
  75. 09. ベン・クレーンの終わりなき社会貢献
  76. 08. だから、アーノルド・パーマーは誰からも愛された
  77. 07. デービス・ラブの愛
  78. 06. 彼が国民的スターである理由
  79. 05. ゴルフより大切なものを知って強くなったプロゴルファー
  80. 04. アーニー・エルスの山谷の越え方
  81. 03. マスターズ2勝のバッバ・ワトソンが一人の人間として抱く夢
  82. 02. 全英オープン覇者、ジョーダン・スピースの強さの秘密
  83. 01. プロゴルファーも、お医者さまも?「らしさ」って、難しい

著者プロフィール

舩越園子 近影
舩越 園子(ふなこし そのこ)

ゴルフジャーナリスト

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。
百貨店、広告代理店勤務を経て1989年にフリーライターとして独立。93年渡米。

在米ゴルフジャーナリストとして新聞、雑誌、ウエブサイト等への執筆に加え、講演やテレビ、ラジオにも活動の範囲を広げている。

『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。

アトランタ、フロリダ、ニューヨークを経て、現在はロサンゼルス在住。

最新の書籍紹介

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どれもタイガー・ウッズだが、
彼の言葉を追い、紐解いていくことで
人間・ウッズの実像が見えてくる。

そして逆境を乗り越えるために 一番大事なものとは……。

バックナンバー
  1. ゴルフジャーナリストが見た、
    プロゴルファーの知られざる素顔
  2. 82. 「破竹」のナップが願うこと
  3. 81. M・ホーマの「故郷への恩返し」
  4. 80. トレーラーハウスで誓ったこと
  5. 79. 命のリレー、命のショー
  6. 78. 奇跡の復活優勝、「ミーアのミラクル」
  7. 77. 「永遠の女王」A・ソレンスタム
  8. 76. L・グローバーを大きく開花させたもの
  9. 75. 大きなゴールのための小さな目標
  10. 74. 「三つ子の魂」子どもたちのヒーロー
  11. 73. 「誰かのため」を最優先するホブランは、だからこそ人気急上昇中!
  12. 72. 亡き母のために「優勝して財団設立」を目指したW・クラークの勝利
  13. 71. 「脚光」と「薄幸」のビッグスター
  14. 70. 何かに苦しむ誰かのために活動する「フェアウエイの妖精」
  15. 69. 「0.006%」を潜り抜けたバックリーがもたらす幸運
  16. 68. 故郷をジュニア天国へ。S・ストーリングスの社会貢献
  17. 67. 鉄人レースに挑んだ女子プロのチャレンジ
  18. 66. 「ナイスガイだからこそ」のメジャー制覇と社会貢献
  19. 65. 個性派M・A・ヒメネスの恩返し
  20. 64. 全英女子オープン覇者がプロゴルファーである理由
  21. 63. メジャー3勝、だからこそ「感謝」と「貢献」
  22. 62. アフリカに水をもたらすゴルフ界のレジェンド
  23. 61. 一人の少年を讃えたフリートウッドの想い
  24. 60. 母国を離れて戦うC・スミスの母国愛
  25. 59. コロナ禍の犠牲者のために尽くした素晴らしき選手
  26. 58. 親友が闘病しながら創設した財団を守り続けるプロゴルファー
  27. 57. 救った子供が未来を救う、だからこそ救いたい
  28. 56. 「みんなのハッピー」を目指す女子ゴルフのスター
  29. 55. バレステロスからラームへ、スペインのヒーロー誕生物語
  30. 54. マリア・ファッシは幸せを運ぶアンバサダー
  31. 53. 「小さな奇跡」を信じて戦う意味
  32. 52. クールなP・カントレーの温かい社会貢献
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  34. 50. 母国への想いが奇跡を起こす!?
  35. 49. 無名の48歳の「好きな言葉」「嫌いな言葉」
  36. 48. B・デシャンボーの熱くて厚い義理人情
  37. 47. 絵を描き続ける「みんなのヒーロー」
  38. 46. 助けたからこそ、助けられたゴルフ人生
  39. 45. 夢を追いかけられる社会にしたい
  40. 44. 負けても笑顔を輝かせた意味
  41. 43. 優しく強くなったR・マキロイの社会貢献
  42. 42. ファンファーレで送り出したい全英チャンプ
  43. 41. 「僕はそういう僕でありたい」ビリー・ホーシェルの感謝と恩返し
  44. 40. チャールズ・ハウエルの恩返し
  45. 39. メジャー・チャンプの恩返し
  46. 38. 「思い出づくり」と「自転車づくり」
  47. 37. 米ツアーの黒人選手の「声」の力
  48. 36. スネデカーは「超ナイスガイ」!
  49. 35. 「世界を救うため」動いたジュニアゴルファー姉妹
  50. 34. それが「私の生きる意味」
  51. 33. 「いつかは、私が」と誓った物語
  52. 32. 亡き母の名を冠したマンモバンを走らせて
  53. 31. ケビン・ナの人気が静かに高まりつつある理由
  54. 30. ゴルフ界の「子育て」と「本当の女王」
  55. 29. 苦難を乗り越えた3世代の物語
  56. 28. 光が当たらなかった場所に光を当てる
  57. 27. 世界ナンバー1の「自分流」チャリティ
  58. 26. 「手作りゴルフ場」から出発したプロゴルファーの社会貢献
  59. 25. ゴルフ金メダリストが考える手作り感覚のチャリティ活動
  60. 24. 惜しみなく与える「DJ」の物語
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  62. 22. 帝王の優しき野望
  63. 21. 「パットの名手」は「チャリティの名手」
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  79. 05. ゴルフより大切なものを知って強くなったプロゴルファー
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  83. 01. プロゴルファーも、お医者さまも?「らしさ」って、難しい