内藤証券中国部のキーマンが見た「中国株の底流」

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2007年2月27日、上海総合指数の大幅な株安を発端に起きた世界同時株安。その1年半後、今後は同じ上海総合指数が発端の世界同時株高が起きた。“ちっぽけな存在”と思われていた中国株が、わずか十数年で世界を揺るがす存在となってしまったのだ。
そもそも中国株とその市場は、成り立ちからして特異。現在でも世界に類のない極めて特殊な株式と証券市場だ。その底流は長い年月と様々な出来事を経て形成された。そこで、中国株とその市場の誕生から振り返り、どのようにして今日のような姿になったのかを見ていこう。そこにある様々な物語を見れば、中国株とその市場だけではなく、その背後にある中国の人々と国家の本当の姿が浮かんでくるだろう。

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世界一小さな取引所

瀋陽証券交易市場の開業から1カ月あまりが過ぎた1986年9月26日、上海市の中心部にある仏教寺院「静安寺」の近くに、株券の店頭市場がオープンした。株券の市場としては、これが第一号だった。
場所は南京西路1806号。その場所を尋ねると、「証券市場だって?あそこは小さな理髪店だよ」という答えが返ったかもしれない...[ 続きを読む ]

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バックナンバー

2017.8.5

第7回 世界一小さな取引所

瀋陽証券交易市場の開業から1カ月あまりが過ぎた1986年9月26日、上海市の中心部にある仏教寺院「静安寺」の近くに、株券の店頭市場がオープンした...[ 続きを読む ]

2017.7.5

第6回 こっそりと開いた証券市場

株券発行の口火を切ったのは遼寧省撫順市。1980年の赤レンガ株券が、股票(株券)と名のつくものの第一号だった。証券市場の第一号も遼寧省で生まれた。撫順市に隣接した省都の瀋陽市。そこに...[ 続きを読む ]

2017.6.5

第5回 目覚めた上海の投資家

中華人民共和国の建国35周年を控えた1984年、かつての金融の街だった上海市は、すっかり社会主義国家の都市に変貌。人々は株式とは無縁の生活を送っていた。さまざまな悲劇を生んだプロレタリア文化大革命(文革)が終結してから数年が経ったが、その傷跡は...[ 続きを読む ]

2017.5.5

第4回 魔都の証券市場

中国の金融の中心地として知られる上海。それはウエスタン・インパクト(西洋の衝撃)によって誕生した。1840年に勃発したアヘン戦争で英国が勝利。1842年に交わされた南京条約によって、長江の河口に位置する小さな街の開港が決まった。それが...[ 続きを読む ]

2017.4.5

第3回 中国各地の暗闘者

1980年1月1日に遼寧省撫順市で発行された赤レンガ株券を口火に、株券を発行する動きが中国の各地に広がった。「株券発行や株式制度は、合法なのか、それとも違法なのか?」――。中央政府は答えを出していない...[ 続きを読む ]

2017.3.5

第2回 赤レンガから生まれた中国株

1978年に鄧小平が最高指導者となり、「イデオロギーの束縛から自由になれ!頭を働かせろ!何が正しいのかは、事実から導き出せ!」と号令をかけた。だが、一言で10億人の心が瞬間的に変わるはずもない。株式について語ることは、まだまだ危険な行為だった...[ 続きを読む ]

2017.2.5

第1回 中国株の誕生前夜

上海市と広東省深圳市に証券取引所が開業したのは1990年12月。では、中国株の歴史はここから始まったのだろうか?答えはノーだ。中国株は証券取引所の開業以前から存在していた。では、中国株はいつ誕生したのか? そもそもの発端は1978年に遡る。この年の中国社会はどんな状態だったのか? それは...[ 続きを読む ]

2017.2.5

第0回 はじめに~世界の金融市場の“特異点”に光を当てる

「中国株」という日本語の言葉は、1990年代に誕生した。そのころの中国株は、一部の投資家が知っている程度の“ちっぽけな存在”でしかなかった。1989年の天安門事件から日も浅く、中国株という言葉にリスキーな印象を受けた人もいただろう。中国経済は1990年代から高成長が続き、それを伝えるニュースも増え...[ 続きを読む ]

著者プロフィール

千原 靖弘 近影千原 靖弘(ちはら やすひろ)

内藤証券中国部 情報統括次長

1971年福岡県出身。東海大学大学院で中国戦国時代の秦の法律を研究し、1997年に修士号を取得。同年に中国政府奨学金を得て、上海の復旦大学に2年間留学。帰国後はアジア情報の配信会社で、半導体産業を中心とした台湾ニュースの執筆・編集を担当。その後、広東省広州に駐在。2002年から中国株情報の配信会社で執筆・編集を担当。2004年から内藤証券株式会社の中国部に在籍し、情報配信、投資家セミナーなどを担当。十数年にわたり中国の経済、金融市場、上場企業をウォッチし、それらの詳細な情報に加え、現地事情や社会・文化にも詳しい。