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最速の救急車はバイク型(10:41)

若き救急医療技士としてエルサレムの救急車に乗るエリ・ビアは救急車が都会のひどい交通渋滞に巻き込まれ、助けに行くのが遅すぎる事に気がつきました。そこで、彼は救急医療技士のボランティア・チームを結成しました。彼らはいつでも全てを放り出して、自らの足で近所の人命救助へ駆けつけます。今日、United Hatzlah はスマートフォンのアプリや「ambucycle」という乗り物を駆使して救急車が来るまで近くの患者を助けます。平均到着時間は3分で、昨年イスラエルでは207,000人もの人を救いました。そして今、そのアイデアは世界的なものとなっています。

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これは救急バイクです どんな緊急事態にも 何よりも早く駆けつけ ベッド以外なら 救急車ある設備が全て 備え付けてあります ほらAED(心細動除去装置)が見えるでしょ?

ボストンで起こった惨劇を見ましたよね その写真を見た時 子供の頃の遠い記憶が よみがえって来ました エルサレムの小さな町で育ちました 私は6歳で 下校途中でした 金曜の午後で 兄と一緒でした バス停に通りかかると 目の前でバスが爆発したのです バスが燃え 多くの人が負傷し 亡くなりました ある1人のおじいさんを覚えています 私たちに向かって 「体を起こしてくれ」と助けを求めていました 彼はとにかく 助けが必要だったのです 私たちはとても恐ろしくて 逃げてしまいました

大人になったら 医者になって命を救おうと決意しました たぶん 子供の頃に あの事故を見たからでしょう 15歳の時 救急医療技師のコースを取得し 救急車でボランティアをしました 2年間 エルサレムでやっていました たくさんの方々を助けました しかし 本当に助けが必要な時 一度も到着が間に合いませんでした 一度もです 渋滞がひどかったり 遠かったり 原因はすべてです 本当に助けを必要としていたのに 行けなかったのです

ある日 「7歳の子が ホットドッグを詰まらせている」 との電話がありました 交通状態が悪い上に エルサレム北部の町の 反対側から向かっていました 現場に着いたのは20分後 その子供に心肺蘇生を始めました 1ブロック先から医者が来て 我々を制止し 子供の容態を調べ 心肺蘇生を止めるよう告げました 子供の死を 宣告した瞬間でした

その時 分かったのです この子の死は無駄だったと もし 1ブロック離れた所に住むこの医者が 20分早くに来れていたら 救急車のサイレンの音が聞こえるまで 待っていなかったら もっと早く子供のことを 聞きつけていたら 医者は あの子供を救えていた 1ブロック離れた所から走ってきて この子を助けれただろう

心の中で言いました もっといい方法があるはずだ 友人15人と決めました 我々は皆 救急医療技師でした 近隣の皆さんを守ろう 同じようなことが起こったら 救急車より早く 現場に駆けつけようと そして私は救急車のサービス会社に行き マネージャーに言いました 「我々の近所で要請があれば 15人の男が 喜んで― 「我々の近所で要請があれば 15人の男が 喜んで― 何もかも放り出し 駆けつけて 救助しますから ポケベルで呼んでください」 「皆ポケベルを買うので 出動を知らせてください」 「知らせがあれば 助けに駆けつけます」

彼は笑っていました 私は当時 17歳の子供でした まるで 昨日の事の様に覚えています 彼は素晴らしい方でしたが こう言いました 「君 学校に行くか 店でも始めなさい」 「君たちの新しい試みにも 助けにも興味ないよ」 私は部屋を追い出されました 「君たちの助けなんて要らない」 と彼が言いました

私は非常に頑固な子供でした ご覧の通り 狂ったように歩き回りました (笑) (拍手)

そこで 私はイスラエルの 常とう手段に出ました 皆さんも聞いた事があるでしょう Chutzpah( 図太さ)です (笑) 翌日 警察無線を2つ買いに行きました 「勝手にしろ 情報をくれないなら 自分で手に入れてやる」と言いました 「いいだろう 情報をくれないなら 自分で手に入れてやる」と言いました 我々は交代で 警察無線を聞きました

次の日 私が聞いていたところ 70歳の男性から 電話が入りました 私のいた所から1ブロック先で 自動車事故にあったそうで 近所の大通りでした 私は走って行きました  医療道具はなく 現場に着くと 70歳の男性は― 路上に倒れ 首から血が流れ出て 抗凝結剤を服用していたんです 流血を止めなければ 死んでしまうと分かっていました 医療器具がなかったので 被っていたヤムルカ帽を使い 強い圧力をかけて 出血を止めました 首から出血していたのです 15分後に 救急車が着くと 私は生きている患者を 引き渡しました (拍手)

2日後 お見舞いに行くと 彼は抱擁をしてくれ 泣きながら 命を救った事に感謝してくれました その時 2年間の救急車での ボランティアの後― 初めて人を救ったのだと気づきました これは私の人生の使命です

22年後の現在は United Hatzalahがあります (拍手)

〝Hatzalah〟とはヘブライ語で 〝救助〟という意味です ここがイスラエルでない事を忘れていました 何千人ものボランティアがいます 人命救助に情熱を注ぎ どこにでもいるので 呼べばいつでも駆けつけます すべてを投げ出して 走っていき 命を救うのです 現在の平均到着時刻は― イスラエルでは 3分以下となりました (拍手)

心臓発作のお話をしました 自動車事故のお話も とんでもない爆弾攻撃であれ 発砲事件であれ 何であれ 午前3時に女性が― 自宅で倒れて 助けが要るのであれば 3分で パジャマ姿のまま 女性の家までかけつけ 体を起こすのを手伝う男たちがいます

我々が成功したのには 3つの理由があります

何千人もの熱意のある ボランティアの皆さんです やっていることを全て置いて 知らない人でも助けにいきます 我々は 救急車の代わりとしてではなく 電話してから― 救急車が来るまでの時間を 埋めるために行くのです ややもすれば 助からない人を 助けるんです

2つ目は テクノロジーのおかげです イスラエル人はテクノロジーに強いです みんな 携帯電話を持っていて どんな機種でも― NowForceのGPS機能が備わっており いつ電話が入っても 一番近くにいる5名のボランティアに掛かり 非常に早く現場に到着します カーナビを使って行くので 時間の無駄もありません これは我が国にある 素晴らしいテクノロジーです 到着までの時間も減りました

3つ目は この救急バイクです 救急バイクとは 二輪車の救急車です 人を運んだりはしませんが 容態を安定させ 命を救います これなら渋滞に巻き込まれても 歩道も走れるので 渋滞に足止めされる事はありません だから早く到着できます

ユダヤ人のコミュニティで この組織を始めて 数年後 2人のエルサレムのイスラム教徒から電話があり 私に会いたいとの事でした ムハンマド・アスリ氏 とミュラド・アリヤン氏 ムハンマドさんは 身の上話をしてくださいました 55歳の父親が心停止に陥り 家で倒れました 救急車が来るまで 1時間もかかり 目の前で 父親が亡くなられたそうです 「この活動を東エルサレムでもやって下さい」 と頼まれました

私は自分に言い聞かせました たくさんの惨劇や嫌なものを見てきた それに ユダヤ人だとか イスラム教徒だとか キリスト教徒でもなく 私は人を救うためにやってきたんだ そして引き受けました (拍手) そして 東エルサレムで United Hatzalahを始めました United(団結した)と Hatzalah(救助)という名前がぴったりでした 手に手を取り合って ユダヤ人とアラブ人を救い始めました アラブ人がユダヤ人を助け ユダヤ人がアラブ人を助ける 特別な事が起こりました 決して上手く行かない  アラブ人とユダヤ人が 同じ場所に居るんです 文字通り コミュニティ(共同社会)です 信じられない状況です 違う人種が突然 共に命を救おうというー 共通の興味をもったのです 移住民がアラブ人を救い アラブ人が移住民を救う そのような大義がある時にだけー 成り立つ信じられないコンセプトなのです ボランティアのみだけで みんな無償で働いているんですよ ただ 人命を救助するという目的のために 働いています

数年前 私の父が心停止で倒れた時 駆けつけてくれた最初のボランティアは 東イスラエルのイスラム教徒の1人でした Hatzalahに参加するための 第1回目の講座を受けた方でした そして 父を救ってくれたんです 第1回目の講座を受けた方でした そして 父を救ってくれたんです その時の私の気持ちが分かりますか?

この組織を始めた時 私は17歳でした いつか TEDMEDでお話しさせて頂くなんて 想像していなかったですし その時はTEDMEDが何かすら 知りませんでしたし その時はなかったかな でも想像もしませんでした 世界に広まって行くなんて 想像できませんでしたが 昨年はパナマとブラジルでも この活動を始めました 必要なのは 私のように 少しクレイジーなパートナーです 人命救助に熱心で 進んでやってくれるような方 実は近々インドでも始めます 最近ハーバードで出会った 友人と一緒にです 実はHatzalaは敬虔派ユダヤ教徒によって― 何年も前からブルックリンのウィリアムズバーグで 始まっていました 今では ニューヨークのユダヤ社会でも広まり オーストラリアやメキシコ 他の多くの国々のユダヤ社会でも広まっています どこででも広められるのです 非常に簡単です ニューヨークにある ワールドトレードセンターでも 人命救助に当たる ボランティアを見たでしょう 去年だけで 207,000 人の イスラエル人を救助しました その内の42,000人が 命に危険のある状況でした 成果を上げています これは人命救助の フラッシュ・モブ だと言えるでしょう しかも 効果てき面

会場を見回すと 人を救うため もっと力を尽くせるであろう方々が― たくさん見えます どんな人でも 宗教が何であれ どこから来たかも関係ない 誰もがヒーローになりたいんです 我々に必要なのは 良いアイデアとモチベーション そしてたくさんの"厚かましさ"です それがあれば 救われなかったかもしれない― 何百万人の命を救えるんです

ご清聴ありがとうございました (拍手)

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