あなたの職場でジェンダーバイアスを取り除く方法(13:17)

サラ・サンフォード(Sara Sanford)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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数年前 私は会社勤めのフェミニストとして理想の仕事をもらいました 女性社員の雇用を増やすために 全社規模の活動を始める仕事です しかも 金融業界の会社です

しかしまず 私は全部門のトップの承諾を 得なければなりませんでした 私は提案を完璧にするため数か月を費やし プレゼンテーションし そしてほぼ全員の承諾を得ました

しかしこのチームにおいて 2人の男性がいました 名前をハワードとトムとしましょう ハワードは私に返事をくれませんでした 私は提案について彼にEメールを送り ボイスメールを送り 会議中 椅子をあちこち動かして ハワードと目を合わせようとしました

(笑)

彼はスマホを取り出しスクロールを始めました そして私は自問を始めました きちんと外交的なメールを送れていたか ボイスメールの中で言いすぎたかも ハワードはこの提案が嫌いなのか それとも私が気にしすぎているのか 私は自分に原因があると考えていました

ある時 ホールを歩いていると ハワードに遭遇します 書類を抱えていた彼は 私を見つけるとハッとした顔で こう言います 「サラ 先ほどトムがメールを送ってきたんだ 見たほうがいい 女性社員の雇用を増やすための提案だ」

(笑)

「トムは非常に素晴らしい意見を持っている 私たちはこれを推進すべきだ」 ハワードは私の提案を 私の手にゆだねるのです そして多くのメリットを説明します それは私が書いたものです

(笑)

ハワードは女性の雇用を増やすことに 反対なわけではありませんでした しかし なぜ女性をもっと雇うことが 重要なのかを 男性から聞く必要がありました そしてこの場面が展開するさなかに 私は何も言いませんでした なぜなら どういうわけか私は悟ったからです 自分の存在意義がない場所にいると そして自分の置かれた環境に 疑問を抱く代わりに 私は自問しました

こんなことが知りたいものだー 長時間働いている 多くの才能ある女性が 自信をもってキャリアを始めたのに 全員がこのように自分に疑問を抱いて 「私のせいだ」と口にしてしまうよう 教育されてしまうのはどうしてか なぜこんなことがあり得たのでしょう? 事態は良くならないのでしょうか?

女性への機会はここ50年で増加しました しかしここ十年ほど進歩は止まっています 専門家は以前 賃金格差が埋まるのは 2059年だと特定しました しかし今年の9月 同じ専門家が 最新の情報によると その推定を先延ばしする必要があると 発表しました 2119年まで

(ざわめき)

今から101年です

話は賃金格差に留まりません 組織のリーダーシップを握る女性の人数は まだ不足しており 最高幹部へのアクセスが限られ 最も成長の速い部門 例えば テクノロジー部門から 男性より45%高い割合で 文化を主な理由として去ることになります 私たちはジェンダーの不平等に どう対処してきたのでしょう なぜその効果がないのでしょうか

多くの企業はその問題に 対応していると考えています 研修を行っているからです 年間80億ドルが研修に費やされています これは「ハーバード・ビジネス・レビュー」の 研究に基づきます 同じ研究において このような研修は効果が無く 逆効果にもなりうると結論づけています 830社の雇用と昇進の実例を 30年に渡り追跡した研究では 多様性の研修を受けるよう言われた白人男性は 反抗して 女性とマイノリティの雇用と昇進を 減らす傾向にあるとわかりました 女性に自らの行動を変えさせることも 他の解決策として提唱されてきました 積極性を出していくこと 交渉の席に着くこと 男性と同じくらい交渉すること ああ それともっと研修を受けること

今では女性が 過半の学士号を取得し リーダーシップの重要なスキルで 他の同僚よりも優秀であり 競争に打ち勝つビジネスを 経営しています 問題となっているのは 学歴やスキルや ビジネスの洞察力ではないようです 私たちはすでに力を与えられています 環境が整っている企業なら 十分に影響を与えられるほどです これまでの取組みが 対処できていない システマチックで重要な問題があります 無意識のバイアスです

(拍手)

私たちはみなバイアスを持っています いいんです バイアスは扁桃体に居座っていて 仕事の間も 時計のように動作しています バイアスは相手に対する好意や 相手の能力をどれほど信頼するか 相手のことをどれほど考えるのか などに影響します Me Tooの活動に含まれていたお陰で 性別によるバイアスへの気づきは広まりました

しかし見出しを飾るハラスメントの話は 一部分にすぎません 女性のキャリアに制約を与えるには ハラスメントは不要です 私が受け取る女性からのメッセージは ハラスメントが内容ではありません 職場では寛大に扱われていますが しかし評価されていないのです 私はこんな風に言う人など知りません 「私の会社の好きなところってなんだと思う? とっても寛大に扱ってくれること とっても寛大だと感じます」

(笑)

慣習を打ち破るため Me Tooの先に進む必要があります 女性が寛大に扱われているだけの状態より先に 私たちの組織は2つの方法で この問題に取り組もうと決めました まず 私たち全員に偏見があるなら 私たちの職場は積極的に計画的に 偏見を取り除く必要があります 一回の研修で一度に考え方を 変えようとするのではありません 私たちのチームがまず手をつけたのは バイアスに対抗するために調整可能な― 100種以上の文化的な調整ダイヤルを 特定することでした 私たちはわずかな調整で大きな変化が もたらされると気づきました そしてこのコストは 80億ドルよりずっと安くなります

では どういう調整をするのでしょうか もし女性が エントリーシートを書いたり スキルに関わるテストを受けるときに 最初に性別を回答することを求めると 最初に回答しなかったときよりも 成績が悪くなります 自分にステレオタイプを適用する故のバイアスを 避けるために 企業はどうすれば良いでしょう 性別のチェック項目をシートの最後に移します

2つ目の事例です 私たちが行った全国調査では 過去1年の間に 多様な評価を 複数回受けていたという回答を 男性の方が50%多く選んでいました 1年に1度のレビューとは違います これが大事なわけを説明します 「フォーチュン」誌は業種の枠を超えて 業績評価を比較検討しました 個人の人格に関わり 職務と関係のない指摘が 個人の人格に関わり 職務と関係のない指摘が 女性が受けた年次評価 94件のうち 71件から見つかりました 男性が受けた評価 83件の中では 個人の人格に対する指摘は2回でした しかし評価の時間が短く 評価の頻度が高い企業において 例えば週1回5分間で 特定のプロジェクトについて評価する場合 個人の人格に対する批判は無くなります 男女の業績格差は ほとんど現れません 年次評価は 全体の印象を基にするので バイアスを調べる培養皿のようなものですが 簡潔で対象を絞った評価は 感情に根付くグレイゾーンを消すのです

今 いくつかの企業はバイアスに対抗するため これらの対策を意識的にとっています 他の企業が宣伝に注力している間にです 私たちは誰が正しく情報を得ているのか 知りたいと思いました まずフェイスブックで アンケートを実施しました ワークショップに参加した女性には 自分を評価してくれる雇用主を どのように選ぶのか尋ねました 最も多かった答えが 「グーグル検索します」だったので グーグル検索もしました

(笑)

具体的には 「テック業界の女性にとって 最高の雇用主」と検索しました 3つの全く異なるリストが出ました ある企業は1つのリストでトップにいましたが 他のリストには全く出てきませんでした 基準が無いリストもありました また広告もリストに入っていました お金を払っていたのです

労働者と雇用主はどちらも 善意の範囲にとどまらず 明確な基準を求めています 環境への企業責任における LEED 認定は 透明性を確保するために 認定を受けるのに必要な 具体的な方法を概説しています ジェンダー平等においても この種の マニュアルを企業が持つべきと考えました

そこで 私たちの2つ目の行動として 文化的な調整ダイヤルの 調査から得た学びを基に ワシントン大学と提携して 米国企業のジェンダー平等のための 初の認定規格を作りました

(拍手)

ありがとうございます

(拍手)

この規格を作るために 何が大事で 何が大事ではないかを 知る必要がありました 分かったのは 女性社員の割合や取締役の女性の人数は 大切ではないということです これらは虚栄の指標と言われます 企業文化がバランスを失ったままでも お金で解決できる指標だからです 大切で計測すべき要素は 内部にあります

例えば たとえ男女ともに同じ割合で 指導者になれると回答がある組織でさえ 男性の指導者は上席にいる傾向があります 調査の結果を確かめると 上席に同行する機会があったと 答えた男性は2倍いました

私たちはみな賃金格差については よく耳にしますが このような隠れた機会の格差も 同様に影響力があります そこで企業文化を評価するとき 私たちは男女の経験格差を評価しています 格差が小さいほど 平等が企業文化の中心に近い位置づけです

私たちは 仕事場の文化に対する 男女それぞれが最も重要視する 指標を探しました 男性は一貫して3つの要素しか 考慮していませんでした 一方で女性はたくさん 考慮することがありました 共通していた要素は1つだけでした 女性のリストの上位をあげると 家族のための有給休暇 被扶養者への医療保険 意見がきちんと取り上げられ 貢献が適切に評価されること これらは 職場における平等の基準を 満たしているかどうかを測る― 188の指標のうちの一部です 何が重要かというデータに基づいています これらの要素は 持続的な平等の文化を創っています 一か月や四半期ではなく 数年続くものです

このことから何が分かるでしょうか 現代の女性労働者は 頻繁にこう言われています 「あなたは今やりたいことをなんでもできる 自分次第だ」と 有色人種の女性のような 賃金格差が大きい人でさえ 聞いたことがあります 最低賃金労働者の3分の2は女性ですが みんな聞いたことがあります 性別が男女に特定できず 職場で自分を隠している人も 聞いたことがあります あなたが今やりたいことは なんでもできるよ 自分次第だ と さんざん耳にしてきましたが 今度は私たちの企業がそのセリフを聞く時だと思っています 職場でのバイアスを取り除くことは 困難な課題です しかし私たちは半分の人が 無視され続けていることを 放っておけません 私たちは本当に変わるための フレームワークを企業に与えました 企業は今やりたいことをなんでもできます 自分次第ですよ

ありがとう

(拍手)

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このプレゼンテーションについて

平等の専門家サラ・サンフォードは、良識の範囲を超えていく企業を助ける認証済みのマニュアルを作りました。このマニュアルはデータに基づいた指標を使い、人々の意識を変えるだけでなく、職場の行動を変えることによって積極的に無意識のバイアスに対処し、ジェンダー平等を促進しています。

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