在宅勤務がビジネス上有利な理由(04:41)

マット・マレンウェッグ(Matt Mullenweg)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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オフィスで働くことの 基本的な問題は 自分の作業環境を コントロールできないことです

シリーズ 仕事の仕方

こんにちは 私はマット Automattic社のCEOです WordPress.comや Jetpack WooCommerceなどを手がけています 800名の社員がいますが 住んでいる場所は様々です カリフォルニア アラバマ ミシシッピ それに私の住むテキサス 世界の67カ国に 散らばっています カナダ メキシコ インド ニュージーランド 一所に定住しない人たち 「ノマド」もいます キャンピングカーで暮らしていたり Airbnbを使って旅していたり 彼らは日ごと 週ごと 月ごとに 新たな場所へ移動します Wi-Fiがちゃんと繋がりさえすれば どこにいるかは気にしません

この分散的な形態は たまたまそうなったわけではなく はじめから意識して 選択したことでした 私が「遠隔勤務」という 言い方をしないのは 中心的な人々と そうでない人を 区別している 感じがするからです 私は自分たちのやり方を 「分散的」と呼んでいて みんなが対等な 立場にあります

社員が分散した 形態というのは 会社を構成する 最も効果的なやり方だと思います 大事なのは意識的に そうするということです 私達がWordPressを 立ち上げたとき 最初の20人の社員の多くは 一度も会ったことがありませんでした ずっとネット上で一緒に やってきた人たちだったんです その形を続けたいと 思った理由は簡単です 才能や知性というのは 世界中に均等に 分散していると思いますが 機会はそうではありません

シリコンバレーは 技術系の大企業が 同じひとつの小さな池で 釣りをしているような状態ですが 分散的な会社なら 海全体で釣りをすることができます 日本で生まれ育ち 現在は カリフォルニアに住んでいるような人だけでなく 世界のどこで生活し 働き 目覚め 眠る人だろうと 雇うことができます その人たちは 文化的に異なった考え方や 異なる生活体験を もたらしてくれます

分散的にしようという 決断の元には 仕事のやり方について 自主性を与えたいという思いがありました 外せない時間帯が あるような役職でなければ 好きにスケジュールを 立てられます みんな窓のある角部屋で仕事でき 食べたいものが食べられ 音楽を流すのも 静かな中でやるのも選べます 部屋の温度も 自由に設定できます 通勤時間を節約して 大切なことに 時間を当てられます

社員が分散した形態は 技術系企業に理想的なものですが こう聞かれることもあります 「それで上手くいく会社はいいけど そうもいかないところはどうすれば?」 オフィスが既に あるという場合に 分散的な環境を作るために できることがいくつかあります

まず「すべてを記録すること」 オフィス内であれば キッチンや廊下なんかで 何かをその場で 決めるのは簡単です でも一部の人が 在宅勤務していて そういう会話に加われないと 決定に至った経緯が 分からなくなります どこにいて どんなことを考えたのか 常に記録を残しておけば 他の人がその先を 引き継げるようになります 異なる時間帯にいる人とも やり取りできるようになるし 組織の変化や 人の入れ替わりにも 対応することができます

「コミュニケーションをできるだけ オンラインですること」 すべてが公開され共有されていれば 新人も速やかに学び取れます 「良いツールを見付けること」 日常的なコミュニケーションや テレビ会議 プロジェクト管理などに使える アプリやサービスが たくさんあります いまや仕事の仕方を変えているのは モノではなく コンピューター上で使うものです 協同作業を助けてくれるツールを いろいろ使ってみて うまくいくものを 見付けましょう

「生産的な対面時間を設けること」 従来のオフィスでは 年に48週は一緒にいて 3、4週間だけ離れている という感じでしょう 私達はこれを逆にして 短時間で濃密な一緒の時間を設けています 年に一度の大会合があって 1週間全社員が ともに過ごします 半分は仕事 半分は遊びです ここでの主目的は 人々の絆です 別れるときには みんなの意識が合っていて 同僚の間に深い結び付きが できています 1年の残りで 協働作業をするときに この理解と共感が 生きてきます

そして最後は 「各自が自分に合った仕事環境を 作れるような柔軟性を持つこと」 Automattic社では コワーキング手当があって コワーキングスペースのために 使ったり コーヒーショップから追い出されないよう コーヒーを買えるようにしています シアトルにいる グループなんかは その手当を集めて 釣り桟橋に仕事場を借りています 自宅オフィス手当もあります そのお金を使って 良い椅子やディスプレイや机を買い 各自が最も生産的に仕事できる 環境を整えられます

分散的な形態を優先している会社は まだ少ないですが 今後十年か二十年のうちには 世界に影響を与える ような会社の9割は そういう形態になっていると 私は予想しています 分散形態優先へと進化するにせよ そういう会社に淘汰されるにせよ

次に作ろうと思っているものが 何であるにせよ どうすれば世界中の 人材を生かし 自律性を与えられるかを 考えてみてください みんなが働きたい場所で働きながら 全力で何か一緒に作り上げられるように

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このプレゼンテーションについて

在宅勤務の人気は広がりを見せ、今や町や国や時間帯さえ越えて人々が協働できるようになっています。これは職場のあり方をどう変えるのでしょう? そしてどうすれば本社にいる人も在宅の人も繋がり合っていると感じられるようにできるのでしょう? WordPress社の創業者であり、全社員が分散しているAutomattic社のCEOであるマット・マレンウェッグが、その秘訣を明かしてくれます。

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