先入観のフィルターバブルから自由になろう(09:19)

ジョーン・ブレイズ&ジョン・ゲーブル(JoanBlades & JohnGable)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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(ジョーン・ブレイズ) 政治観の違う友人はいますか? 一緒に何の話をしますか? 私は進歩主義です 進歩主義者ばかりの町に住み 15年前は 保守派の友達は 1人もいませんでした 今は様々な友人がいて その1人がジョンです

(ジョン・ゲーブル) 私は進歩主義ではなく 共和党支持者で 共和党支持の家庭に生まれ 保守的な南部で育ちました 地元や 全国レベルでも 共和党の政治支援の仕事をしてきました 過去24年間は テクノロジー業界にいるので 非常に進歩主義的な地域に 住んでいます ですから 進歩主義の友人も多く ジョーンもその1人です

(ジョーン)私はカリフォルニア バークレーの生まれで 進歩主義的であることで 有名な大学町です 今もここに住んでいます 1998年 モニカ・ルインスキーと クリントン疑惑の弾劾から半年後 私は 共同でMoveOn.orgを 1行の嘆願書で立ち上げました 「議会は直ちに大統領を譴責して 国家が直面する 喫緊の課題に話題を移すべき」 これは実は様々な意味で とても求心力のある嘆願書でした クリントンが好きでも嫌いでも 国家にとって最善なのは けじめをつけることだと同意できたのです

MoveOn のリーダーとして 分極化が進むのを目にしてきました そこで こう思いました どうして 私の考えは この国の他の地域の人たちと こんなにも違っているんだろう? そこで2005年に 様々な政治観を持つ 草の根運動の指導者たちと 交流する機会に恵まれると 迷わず 飛びつきました これまでに話す機会が なかったような 多くの人々と仲良くなりました クリスチャン・コアリションの リーダー格も含みます MoveOn が左派ならば この団体は右派だと見なされます このおかげで 私は米国議会で クリスチャン・コアリションの リーダーの1人である友人と ネット中立性の ロビー活動ができました すごいことです 多くの関心を呼びました この活動は 実に目が覚めるような経験でした そして こう思ったんです どうやったら とてつもなく多くの人たちが 考え方の違う相手と 本当の意味で交流できるだろう?と

(ジョン)私の生まれは テネシー州オナイダ ケンタッキー州の小さな炭鉱の町 スターンズの州境にある町です 生まれてから数年は そこに暮らし また別の小さな町ケンタッキー州 フランクフォートに移りました つまり 私は根っから保守的な アメリカの田舎町で育ったのです スターンズとバークレーは ちょっと様子が違います

(笑)

私は90年代に テクノロジー業界で仕事をするため 西部の進歩主義的な地域に移りました マイクロソフトや ネットスケープで働き ネットスケープ・ナビゲーターの 製品管理主任にもなりました 初めて広く利用された ウェブブラウザです インターネットの初期は 私たちはあるヴィジョンに 突き動かされていました 世界中の様々な人々や 様々な考え方と 通じ合うことができたら 素晴らしい判断ができ 世界中にあふれている 美しい多様性ゆえに お互いの価値を認識しあえるだろう という考えです 実は20年前のスピーチでは そうもいかないだろうと 述べました 私たちはただ単に違う方法で互いを 差別するようになるだけではないかと

さて どうなったでしょう? ある日 目が覚めて 互いを もっと嫌おうと思ったわけではありません 結果は こうでした 雑音が多すぎたんです 人の数も 考え方も多すぎます そこで テクノロジーを使って フィルターをかけます すると どうでしょう? すでに同意できる考えだけが残るのです 一般的な考えも残ります 自分と同じように考える 自分に似た人が残るのです 良いことのように思えますよね? ところが そうでもないのです このような狭い世界観を持っていると 2つの恐ろしいことが起こります まず 自分の考えへの信頼が 過剰になり始めます 次に自分と違う相手に対して どんどん偏狭になります 身に覚えがありませんか? 現代のアメリカや 現代の世界はこうなのでは?

朗報としては テクノロジーは 変化しつつあります 良い方向に変化しうるのです だからこそ 私は AllSides.comを始めました フィルターバブルから解放されるような テクノロジーとサービスを生むためです まず最初に ユーザーの偏見を 特定する技術を作りました 違う考え方を並べてみることで ニュースメディアの フィルターバブルから自由になれます それから ジョーンに出会いました

(ジョーン)ジョンに会ったのは ワシントンDCの郊外で 橋渡し役をしようという 超党派の理想を掲げたグループと一緒でした コミュニティのつながりを 取り戻すことが目的でした お互いの違いは 強みになりうるし 異なる価値観は 補完し合えると考えており 戦う気持ちを乗り越えて 自分の価値観を手放すことなく すべての人の価値観を尊重できます ジョンと一緒に愉しく 散歩するうちに フィルターバブルを打ち破るための 彼の仕事を知りました 力強く 素晴らしいものでした 別々の筋書きの中に暮らしているのは 良いことではありません 事実を共有していなければ 対話を持つことも 協力して問題を 解決することもできません

(ジョン)今日覚えて帰ってほしいのは ジョーン・ブレイズに 散歩に誘われたら 行くべきだということです

(笑)

きっと変わります 私はものの見方が大きく変わりました フィルターバブルから自由になるには 情報のフィルターバブルだけでなく 人間関係や社交上のフィルターバブルも 考える必要があります 人間は自分で考えるほど 賢くありません 理性で判断すること ばかりではないのです 感情的に 直感的に判断したり 頭を使って 正当化したい事柄を 理性で正当化するだけのことです 私たちはヴァルカン人の スポックというよりは 大胆不敵なカウボーイ型の カーク船長とか 情熱的な理想主義者の マッコイ医師に似ています 新しい『スタートレック』の キャストが好みであれば こちらですね

(笑)

(ジョーン)強い女性もお忘れなく!

(ジョン)強い女性たちですね

(ジョーン)なら いいわ

二人とも『スタートレック』のファンです あんな楽観主義的な未来を 好きにならずにいられませんよね

(ジョン)素晴らしい未来を描けるのは とても重要なことなんです 何が問題なのかを理解することも とても大切ですが 行動も起こせねばなりません では何をすれば? 実はそんなに難しくありません 生活に多様性を 取り入れればいいのです 情報だけでなく 人間関係の多様性もです 多様性― 真の意味での「多様性」です 人種やジェンダーも重要ですが それだけでなく... 年齢の多様性もです 若者と年配者 地方の人と都市の人 リベラル派と保守派 アメリカに限って言えば 民主党派と共和党派のように 自分のフィルターバブルから 自由になり 多様性にあふれた生活を 送っている優れた例が 隣にいるジョーンです

(ジョーン)お尋ねします 宗教や政治観などの違いによって 人間関係がこじれたり 失われたりした経験がある人は どのくらいいますか? 手を挙げてください そうね 今年は 話をした多くの人たちから こうした経緯で 人間関係がこじれたと聞きました 涙をこらえながら 疎遠になった家族のことを話す人を 多く 目にしてきました

リビングルーム・カンバセーションとは 政治的・個人的な違いを 癒やす試みです シンプルな対話です 考え方の違う2人が それぞれ友人を2人ずつ招待し 建設的な対話をします 全員がシンプルなルールに 従います 好奇心を持つ 耳を傾ける 敬意を払う 順番に話す― どれも幼稚園で習うことですよね? とっても簡単です だから あらかじめ決めておいた テーマについて話す頃には ある気持ちが生まれているのです 「この人 結構好きかも」 すると 話の聞き方が変わります これは人間の性分なのです 気にかける相手の話は よく聞くものです それから 話を振り返り 次のステップに進むかもしれません これは耳を傾ける行為であって ディベートではありません とても大きな力を持つものです 自宅のリビングルームで 異なる見解の人たちと 話をするということは ものすごい冒険です 自分とは違う人でも 相手を尊重し 好きになれるのだと 再発見することになるでしょう とても力強い経験です

(ジョン)さて 皆さんは 何に好奇心を抱きますか?

(ジョーン)話したくて たまらないことは何ですか?

(ジョン)その話をしましょう みんなで一緒に

(ジョーン)そうね

(笑)

(拍手)

(2人で)ありがとう

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このプレゼンテーションについて

ジョーン・ブレイズとジョン・ゲーブルは、自分とは違う政治観で投票をする人たちと友達になってほしいと言います。政治観が正反対でありながら長年の友人でもある二人は、すぐには同意できないような相手と、腹を割って話し合うことの価値をよく知っています。政治観が反対である人々の間にある理解の溝を埋めるにはどうしたらいいか、そしてお互いに耳を傾け、互いを思いやる機会を生み出すにはどうしたらいいか、一緒に考えてみましょう(ことによると、生涯かけた友情も生まれるかもしれません)。

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