地球上で最も火星によく似た場所(4:50)

アルマンド・アズア・ブストス(Armando Azua-Bustos)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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これはNASAの探査車 キュリオシティが 2013年に撮った火星の日没の写真です 火星はとても冷たい惑星です 紫外線レベルがとても高くて しかも極めて乾燥しています 実際 我々が知る生物は生きられないほど 乾燥していると考えられています

私は宇宙生物学者です 地球上の生物の起源や 宇宙のどこかで 生物が発見される可能性を 研究しています 時々質問されます 宇宙船を所有しなくても 宇宙生物学者になれるの?と

実は私がやっているのは 宇宙に点在する興味深い場所に 極めてよく似た 地球上の環境で生きる 生物の研究なのです 地球上の生物は皆 水を必要とします ですから私の場合 水と生物の間の 密接な関係に 焦点を当てています 火星と同じ位 乾いた惑星での 生物発見の可能性を探るためにです ただ 25億ドルもかけて 自分のロボットを 火星に送るのは無理なので 地球上で最も火星に似た場所を 調査しています アタカマ砂漠です

チリ北部に位置する 地球上で最も古く 一番 乾燥した砂漠です どれほど乾燥しているか イメージしてください ここバンクーバーでは 年間降雨量は千ミリを超えますが アタカマにはこの400年 降雨記録が 無い場所もあります

なぜ知っているかって? なにしろ生まれも育ちもアタカマですから

(笑)

それでこの砂漠の調査を始めた時 特に有利だったわけです では皆さんに素晴らしい事例を いくつか紹介しましょう この少年が見つけた ほぼ水のない環境に 生命が 適応した過程に関する事例です

わたしが最初に発見したものは 太平洋に面した— 洞窟の入り口にありました ここで新しい微細藻類をみつけ 発表しました 洞窟の入り口を覆う 蜘蛛の巣の表面でのみ育つ藻です 皆さん 早朝に 蜘蛛の巣を見た事がありますか 蜘蛛の巣は露で覆われるため この微細藻類は 地球の最も乾燥した砂漠の沿岸で 光合成をおこなうためにそれを 使うようになりました この場所なら 朝 決まってこの地域を覆うー 霧から 水を得られるでしょう

また別の洞窟では異なる種類の 微細藻類をみつけました この藻は海霧の水分を利用できます また目を引くのは 洞窟の最深部で 生きていることです 普通の植物が必要とする光の量の 0.1%以下の環境に 適応してきたわけです この種の発見は 火星の洞窟内で 光合成を行う生物さえも 発見できる可能性を示唆しています ところで あれは私です

(笑)

ユンガイにあるこの地域はNASAによって 発見され ほぼ15年間 この砂漠で最も乾燥した地と思われていました でも違うと私は知ってました なぜわかったのか? もうおわかりですよね 私がこの砂漠で生まれ育ったからです ユンガイでは通常 霧が出る事を覚えていました そこで 霧や雲を見た事のない 多くの場所に センサーを設置して ユンガイよりずっと乾いた 4つの場所を発見し 報告しました そのうちの一つ このマリアエレナサウスは 地球上で真に最も乾燥しており 火星と同じ位 乾燥していて 驚いた事に 私が生まれた 小さな炭鉱の町から 車でたった15分の所にあります

さてこの調査で私たちが試みたのは 地球上の生物にとっての――

―乾燥の限界 すなわち 乾燥しすぎて何も生存できない場所を 実際に探し出すことでした しかしここでさえ地下深く隠れた所に 様々な微細藻類が発見されました これは同様に乾いた場所 例えば火星にも 生物がいる可能性があることを 示していると 私には思えます まだ暫定的なものですが 証拠もあります これらの微細藻類は 乾燥状態になっても なおも生きているようです まるで我々の周囲を ミイラが歩いているようにです また これらの藻類は 紫外線をエネルギー源としているようです こういった証拠が確認されれば 生命の定義や 地球外に生物を探す方法に 大きな影響を及ぼすことでしょう

澄んだ空のお陰で 2020年までに 地上で最大級の望遠鏡の60%が アタカマに設置される予定です そして 皆が星を見上げて 「我々は孤独な存在か?」という 疑問に答えようとする一方で 私は足元の地面を見ながら 自宅の裏庭で 同じ答えを 探していることでしょう

有り難うございました

(拍手)

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このプレゼンテーションについて

宇宙船も使わずにどうやって火星を研究できるのでしょうか?地球上で火星に最も似た環境下にあるチリのアタカマ砂漠に行けばいいのです。広大でしかも乾燥したこの場所で育った宇宙生物学者のアルマンド・アズア・ブストスは、過去400年間、降水記録の無い場所さえあるこの砂漠に生存する希少な生物を現在研究中です。この短くも楽しいトークを聞きながら、地球を離れることなく、宇宙のどこか他に生物を見出す可能性を探ってみましょう。

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