依存症も疾病の1つだ 他の疾病と同様に扱われるべきだ(10:44)

マイケル・ボッティチェリ(Michael Botticelli)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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28年前 私の心は病んでいました。おそらく 私と会っても そうとは気づかなかったでしょう。 私は権威ある 教育機関に勤めていました。 もちろん きちんとした服装で。 しかし 内面は腐りきっていました。 お察しのように 私は依存症の巣食う家庭で育ち 子どもながらに 自分の性を受け入れるのに 悩み苦しみました。 当時は自分でも何と呼んだらいいか 分からないまま― 同性愛者として成長しましたが、それはただ孤独と不安の問題を 悪化させるだけでした。酒を飲むとすべて忘れられました。

多くの人と同様 私も若い頃に飲みはじめ 大学時代もずっと飲み続けました。そして 1980年代前半にやっと カムアウトしたのです。他の同性愛者の人々と会い 知り合い 仲間となじめる― 唯一の場所がゲイ・バーでした。 ゲイ・バーで何をするのか? 酒を飲みます 私も飲みました たくさん飲みました。

ありふれた話です。 多くのアメリカ人同様 私の病気は診断されずに進行しました。 流されるままに いろんな人々や場所 事柄へと 導かれました。 治療を受ける「機会」を与えてくれる― 法律に出会うまで 私の回復への旅は 始まりませんでした。

回復への旅は 愛と喜びにあふれていましたが。痛みを伴うものでした。 皆さんのように 私は数多くの友人 家族を この病気で失いました。 依存症のために愛する人を失った人々の悲話を 数多く聞いてきました。 そして 数えきれないほどの友人を HIV/AIDSで失いました。

現在のオピオイドの濫用やAIDS流行には 悲しいことに多くの共通点があります。 今 われわれはこの時代最大の 公衆衛生の危機の真っただ中にいます。 2014年の1年だけで 2万8千人が 処方薬やヘロインの過剰摂取により 亡くなっています。 1980年代には 多くの人々が HIV/AIDSで死んでいきました。 役人たちはそれを無視したのです。 そのことに言及しない人さえいました。 治療したくなかったのです。 そして悲しいことに現在の流行には 多くの類似点があります。 ゲイの疫病だという人もいます。 隔離を要求してきます。 私たちから罪のない犠牲者を 隔離したいのです。 人々は私たちを 病気であると非難するので、私はこの戦いに敗れるのではないかと 心配していました。 公共政策は汚名や恐怖で 人質に取られました。 そしてまた 同情、医療ケア、研究、回復、治療も人質にされています。

しかしすべてが変わりました。 それらの死の痛みの中に 社会的で政治的な運動の始まりが 見出されたからです。 AIDSは私たちを行動へと駆り立てました。 立ち上がり、声をあげ、行動で示しました。 LGBT運動も活気づけました。 沈黙は死と等しいのだから。 自分の命のために 闘うのだと分かっていました。 そして 私たちは変化をもたらし、多くのことを成功させました。今では 私たちが生きている間に HIV/AIDSの終焉がやってくる 兆しが見えてきました。 これらの変化は少なからず カミングアウトして戦うという、勇敢でシンプルな決断によってもたらされました。 近所の人々や友人 家族 同僚に対しての カミングアウトです。

何年も前 私はNamesプロジェクトで ボランティアをしていました。 クリーブ・ジョーンズが サンフランシスコで始めた取り組みで、AIDSで亡くなった人々にも名前があり、顔があり 家族はもちろん 彼らを愛する人々がいることを 訴えるものです。 1988年10月の快晴の日にナショナル・モールで行われたAIDS記念キルト披露式は 記憶に新しいものです。

2015年まで話を進めましょう。 最高裁判所の結審は 同性婚の禁止を無効としました。 私は夫のデイブと最高裁判所への階段を歩み、その他大勢の人々とこの結果を喜びました。 LGBTの権利が認められるまで 長い道のりだった一方で、依存症問題については どれほど長い道のりが 必要なのかを考えずにいられませんでした。

私が、オバマ前大統領によって薬物対策管理局長に任命されたときは 自分の回復や自分がゲイである事実について とてもオープンでした。 上院での承認の過程において、少なくとも私の知る限り 私の局長職への候補資格や適正に関して、ゲイであることは 問題にされませんでした。 しかし依存症歴は問題でした。 ある時点で 議会職員からは その過去を理由に 上院での承認を得る可能性はまったくないと 言われたほどです。 私が依存症から立ち直って 20年以上も経ているにもかかわらず、この仕事では依存症の知識が少し必要であるにもかかわらずです。

(笑)

だからこれは 薬物依存症の人々が 日々 直面しているー 「烙印」なのです それでも なぜ私は 依存症の過去を持つ人間であるというより ゲイであると告白する方が 苦にならないのかを 話しておきましょう。

アメリカでは ほぼすべての家庭が 依存症に悩まされています 残念ながら 往々にして それが 率直に正直に語られることはありません ささやかれます 軽蔑をもって扱われ 冷笑されるのです そんなことが繰り返し テレビやネットから聞こえてきます 役人からも家族や友人からも 聞こえてきます 依存症を持つ私たちは それらの声を聞いて 何となく医療ケアや治療を受ける 資格はないと思ってしまうのです 現在 アメリカでは 9人に1人しか この「病気」への治療を受けていません 9人に1人です 考えてみて下さい。

一般的に その他の病気の人々は 医療ケアや治療を受けています がんが見つかれば 治療を受けます 糖尿病でも治療を受けます 心臓発作が起きれば 救命医療が施されます しかし どういうわけか 依存症の人々は治療を待たされ 必要なときに受けられないことも多いのです 治療されず放置されると 依存症は重症になり 悲惨な結果に至ります 多くが死んだり 収監されたりすることになります 私たちはその道を辿ってきました。

あまりにも長い間 国家は 私たちが自力で依存症から 抜けだせるとみなしているようでした そんなことはできません 数十年に及ぶ科学研究により これは医学の問題であり 遺伝性の慢性疾患であり 遺伝的に受け継ぐことも 生後 発症することがあることも分かりました。

そこで オバマ政権は薬物管理政策で 今までとは異なる方針を取りました 包括的な計画を立て 実行し 予防サービスや治療サービス 早期治療介入や 回復支援を拡大しました 刑法改革も推し進めました 第2のチャンスを与えるために 障壁を取り除きました 公衆衛生や市民の安全を担当する役人が 地域社会規模で手に手をとって 取り組みました 全国の警察署長が 人々を刑務所や収監所でなはく 治療へと導きました 警察やその他の第一対応者は ナロキソン(麻薬拮抗薬)を投与して 中毒症状を除き再起のチャンスを与えました 医療費負担適正化法は 薬物使用障害の治療に関して この時代で最も大きな進展であり かかりつけ医に薬物使用障害の治療の 役目を兼ねることを要請しました しかし 根本的に 依存症の人々への見方を ここアメリカで変えない限り この活動は十分とは言えません。

以前 私が問題を抱えていると やっと自覚し 助けが必要だと思ったとき 怖くて助けを求められませんでした 愚かで意志が弱く 道徳的に欠陥があると 思われることを恐れたのです でも私は 変化を起こしたいので 自分の回復について話をします 私たちの在り方やできることに オープンに そして率直になるべきだと 気づいて欲しいのです 自己満足にならないよう 私は自らの回復を公表します 世論を変えるために 政策を変えるために この「流行病」の進路が変わり 彼らの在り方をオープンで 率直にしようと悩んでいる― 何百万人ものアメリカ人を力づけるために 自らの回復を公表しています 人々は 彼らの持つ疾患以上の存在です 私たちには 世論を変える機会 政策を変える機会があります。

皆 依存症の誰かを知っています 依存症を持つ人々への見方を 変えるために それぞれに役割を果たすことができます だから 依存症を持つ人に会ったら 酔っぱらいや麻薬常習者 中毒者や薬物乱用者だと思わず その人を見てください 手を差し伸べてください 思いやりや同情を与えてください そして共にアメリカで 拡大している運動の一部に なりましょう 依存症を持つ人々への 偏見を変えるのです。

共に政策を変えましょう 他の病気と同様 必要なときに治療を受けられることを 保証するのです 私たちは成長し 止めることのできない 運動の一部になるのです 何百万人ものアメリカ人を 回復へと導きましょう そして この「流行病」を終わらせるのです。

ありがとうございました

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このプレゼンテーションについて

アメリカ合衆国では依存症や薬物乱用に必要な医療ケアや治療を9人に1人しか受けることができません。前薬物管理対策局長であるマイケル・ボッティチェリはこの「流行」を終わらせるために活動し、依存症の人々に親身に寄り添って、同情と公平で接しています。自身の思いを込めたトークでは、彼らの声を届け、薬物依存症患者に押される烙印と向き合うように現在回復期にいる何百人ものアメリカ人を励まします。

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